2003年3月25日号(No.416)



目次

*『今週の問題』
*『日本救出2兆円作戦40』
*『VOICE』 @投稿『見てていいもんだか「青い春」』
*『編集後記』
*『今週の歌』
■■■■■■ 投稿募集 → nynuts@rcn.comまで ■■■■■■
************************************************

『今週の問題』

 先日、日本の著名人X氏の講演会を“見た”。見ただけで、講演は聞いてな い。聞く気がしなかったからだ。
 あの〜スイマセン、書いてきた原稿を観客の前で棒読みするのって、「講 演」って呼べるんでしょうか。
 そうなのである。X氏は、書いてきた原稿を観客の前で堂々と読んだのだ。
 原稿を読むために下を向いたまま、黙々と朗読。当然、居眠りする客が続出 した。
 毒ガスで死んでいく人々のように、観客が次々にガクッ、ガクッと眠りに落 ちていく。
 しかしX氏は、そのこと(=スヤスヤ寝る人々)にすら気づかずに、原稿を 読み続けた。
 トーチャー。拷問ってやつですか。なんで金払って拷問受けんといかんわけ よ。
 こっちの政治家のスピーチを見ればわかるが、講演で最も大切なもののひと つは、観客とのアイコンタクトである。要するに観客のほうを向けばいいわけ よ。
 この国ではおそらく小学生でも知ってる、スピーチの基本中の基本である。
 だって「講演会」なのよ。朗読会じゃないんだから。
 紙に書いたものをただ読むのなら、それをコピーして観客に配ればいい。 人々はライブな話を楽しみに来ているのであって、朗読を聞きに来ているので はないのだ。
 X氏は、アメリカの政治家のスピーチを見たことがないのだろうか。また、 「講演はエンターテイメントである」という認識はないのか。さらに、金を 払って見にきた人たちに対して、申し訳ないという気持ちは・・・
 日本人の大人は、こういうことを平気でやりますよね。一括りにして申し訳 ないが。
 一種のコミュニケーション・エラーだと思う。観客の気持ちになって物事を 考えてないわけだ。
 日本人の中にもスピーチの上手い人はいる。その人たちに共通しているの は、観客を楽しませようという姿勢だ。当然、観客のほうを向いてしゃべる し、彼らの反応をよ〜く見ている。
 でも、金取ってんだから、ある意味、当たり前の話である。
 しゃべるのが下手な人でも、観客に向かって一生懸命話しかけようとするス ピーカーは、なんとなく好感が持てる。講演の基本はおさえてるわけだから ね。
 今回のX氏の講演会で私が一番コワかったのは、なんと言ってもその鈍感さ ですな。
 確かに有名だし、おもしろいネタも持ってるかもしれない。でも、観客への 思いやりのなさというか、「講演」というものに対するはなはだしい勘違いと いうか、その辺のニブさがやたらと寒いのである。
 アメリカでは小学生でさえできることを、見事にハズす日本人の大人たち。 国民同士のコミュニケーション能力の差が、こういうところにも出るわけであ る。
 でも、小学生と大人だからねえ。
 気が遠くなりそうな距離ですな。
                     ひろ
       *************************************************** 
  

『日本救出2兆円作戦40』

 「これから日本が訪日観光政策を推し進める際に、基本方針としてこういう のを掲げたらどないだ」。私がここ何回かに渡ってお話ししているのは、そう いうことだ。
 ちなみに全部で5つある。ご紹介しよう。
 1)基本的に私たちは知らんのよ
 2)なによりも金儲けを優先
 3)結果が出んとどうにもらなん
 4)答えは現場にある
 5)とりあえず連れてこよか
 「基本方針」という言葉にまったくフィットしない項目たちだが、外見で判 断しないでほしいわ。男は中身よ。違うだろ。
 最近、日本では、訪日観光推進に関するアイデアが、いろんなところで打ち 上がり始めている。
 しかし、基本方針らしきものはまだ正式には決まってないし、将来的に決ま るかどうかも私にはわからない。私は、決めるべきだと思うけどね。
 基本方針というのは、たとえばカレシを探す際に「男は度胸」という要素を 基準にするようなものである。
 探し求めるのは、度胸のある男。そこはずらさない。ま、最近はあんまりい ませんがね。反対に度胸のある女はいっぱいいるんですが、どうなってるので しょうか。
 話がズレた。
 なにはともあれ、私が考える訪日観光推進の基本方針、つまり「男は度胸」 になるのが、前記の5つなのである。
 まずは、(1)の「基本的に私たちは知らんのよ」からご説明することにし よう。
 近頃、日本の新聞とかに「有識者」と呼ばれる人たちが、訪日観光について なにやら書いているのをよく見かける。
 その「有識者」というのは、鉄道屋のお偉いさんだったり、シンクタンクの 研究員だったりするわけだが、その人たちがアーティクルの中で言ってること は、基本的に空論である。「根拠がない」ってことね。
 読者の皆さんに対してまずクリアーにしておきたいのは、日本という国は、 これまでの歴史の中で訪日観光を海外に向けて力強くアピールしたことがな い、という点である。
 日本にとって訪日観光産業が重要だった時代は、以前にもあった。しかし、 数十億円の税金を使って、世界のいろんな国で「日本に来てちょうだい」キャ ンペーンをやった経験はないのだ。
 つまり、訪日観光推進の全体像に関して、根拠のあることを言える人間は、 いま現在地球上には存在しないのである。だって、経験してる人間がだれもい ないんだから。
 断片的に意見できる人はいるのよ。たとえば、日本の外国人向け観光ガイド さんとかさ。
 でもその人たちは、アメリカでの訪日観光キャンペーンのやり方とかは、 まったくわからんのである。
 要するにですね、「基本的に私たちは知らんのよ」。そういうことなのであ る。
 まず、おのれの無知を知ること。それよね。
 みーんないろんなこと言うけど、おめえら根拠ねえだろ。適当に思いついた こと言ってるだけでしょ。フィーリングでナイスなアイデアってやつよね。
 私がここで言いたいのは、世の中に提出される訪日観光推進案は、すべてが 想像に過ぎないということである。完全にトラストできるものは、存在しない わけだ。
 だから、盲目的に「この案は絶対に行ける」なんて思えるものはないのであ る。あらゆるアイデアが疑いの対象なのである。
 たとえば、新聞が社説や論説欄で「都市観光の充実を」とか「アニメなどを 使った観光推進」などと書いたりするが、それらには大した根拠があるわけで はない。どっか他の国でやってたとか、最近読んだ本に書いてあったとか、海 外でアニメが人気だからいいんじゃないかとか、そういうレベルの話ばかりで ある。
 実際、そういう社説や論説を書いた人間の中に、訪日観光について熟知して いる人間はいない。そのココロは、書いてる内容がスキだらけだし、新聞が訪 日観光のことを書き始めたのはつい最近だからだ。
 したがって私たちは、訪日観光を推進する際に、すべてのアイデアについて 疑問を持つ必要がある。盲目的に信じることが一番デンジャラスなのだ。
 唯一信じられるのは、「基本的に私たちは知らんのよ」ということだけ。
 「だったら、具体的にどうやってやるのよ」という話になるわけだが、「わ しらは知らん」という謙虚な姿勢を保ちつつ、立案者の肩書きや立場、発表場 所などに紛らわされることなく、あらゆる案に関して検証に検証を重ね、最も リスクが低く、効果があると考えられるものを実行に移す。そんな感じはいか がかしら。
 「基本的に私たちは知らんのよ」
 まず、一発目ということで。
                     ひろ
  ************************************************

『VOICE』

@投稿『見てていいもんだか「青い春」』
 ここしばらく、望まないにもかかわらず「バケーション状態」である。そん なわけで、求人広告を片手にしつつも“ひとり日本映画の夕べ”と題して細々 ビデオを借りちゃあ見るという日々だ。あせりながらも、バケーション・・ ・。
 中でも「青い春」に、ハマってしまった。色々な違いはあるけれど、ほんの り頭の悪い高校生だった頃の事を思い出したからだ。
 高校という場所は、小学校、中学と違って、テストによってあらかた選抜さ れた人が集まっている。私の通っていた学校も、地元集中の、中の下レベル・ ・・な公立高校で、大抵は就職、あるいは専門学校、短大へ行く、あるいは中 退して、授業中の校庭をバイク披露の為、走り回るなど、大体パターンが決 まっていた。
 校舎がまた、新しいのはいいのだけれど、広い野っ原に、素っ気無い一棟建 てのものを、ボカーンと建ててしまっていて、逃げ隠れするのが難しい環境 だったりする。
 この映画の高校生達は、そんな中でもどうにか居心地のいい場所を見付け て、つるんでいる。私が共感したのは、さして特徴もない、おバカ学校ともい える場所が、彼らによって「天国」になっている点だ。
 とはいっても、彼らが居るのは2001年で、バブル絶頂期の、どこかで余 裕をかましていた私の高校時代(なんせ当時の映画が「私をスキーに連れてっ て!」だし。知らんか。「青い春」のBGMで、ミシェル・ガン・エレファン トがギターをギュイギュイいわせていて、こういうカッコ良さにあの時は飢え てたなあ!と思ってたら監督が私と同年代の人だった)とは、全然違う重さで 話は進んでいく。主人公が「咲かない花もあるんじゃないんですか?」という セリフを吐く程の。
 相変わらず簡素な建物は、建ててから数十年が経ち、薄汚れている。彼ら は、選別された果てに、高校へ来ている。夢はあるけれど、それは今しか叶え られなくて、なのに、どうやら叶いそうもない。夢がある人はまだいい方で、 どうしていいのかわからない人も居る。
 ただ、自分の事をまるごと受けとめてくれる(と、各自勝手にそう思いこん でいる)友達が居る。
 ここに出てくる九條君と青木君も、ケツに蒙古ハンのある頃からの友人で、 こういう存在は、クソつまらん学校生活には、欠かせない。しかしながら・・ ・片一方が、自分の知らない方向を見て、歩き出したとしたら、どう思うだろ う? おばはんになった今なら、しょうがないなで終わる出来事でも、友達に すがるようにしていたあの頃だったら「この人が離れて行ったら、私はどうす ればいい?」と、彼らと同じように、途方に暮れてしまうのだろう。
 これを観た時、「あー、こういうメンタリティーから卒業できて、よかった なー、年は取るもんだ」と、胸をなでおろしながらも、ラストでバカみたく涙 が止まらなくなってしまったのである。はんぱな中年おばはんを泣かせてどう する。
 無闇に血が熱くなるので、現在、地道に職探し中の方(私やんけ。とはいえ 今時、多そうだなあ)には、あまりお勧めできない。「ロッケンロー!」と 言って人生突っ走るのも、ひとつの選択ではある。おいおい。登場人物と同じ 年齢層の人達が観るのが、一番おいしい気がする。出てる男の子みんなカッコ いいしなあ。これだけでも、見る価値あり。私はというと、次の仕事が決まっ たら、是非原作マンガの方も、手に入れたい。さて、またジャピオン拾いに行 こ。
                          修
******************************************

『編集後記』

 ぼんやりしてる間に戦争が始まってしまいました。
 今回の戦争で死んだりケガしたりする人たちには申し訳ないのですが、私が いま見つめているのは、ニューヨークの日本人コミュニティです。
 「9−11再び」って感じで日本人観光客激減中。戦争が長引けば、とんで もないことになります。
 さて、どうしましょうか。
                   ひろ
***************************************

『今週の歌』

「週末に カレーをじっくり 煮込んだら
        数十人が イラクで死んでた ひろ」
              


下のアドレスを押すとメイルが送れまっせ
投書、意見、感想もどうぞ

「週刊Nuts」編集部


Return to Home Page