2003年5月27日号(No.420)
目次
*『マネジの問題4』
*『日本救出2兆円作戦44』
*『NYJJ構造改革8』
*『別れ言葉はいらないわ』
*『今週の歌』
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『マネジの問題4』
日本の週刊誌『AERA』5月26日号でおもしろい記事を見つけた。
その名も「400人調査『わが社の問題』」。
日本の企業に勤める社員たちが会社や経営者に対してどんな思いを抱いてい
るかをアンケートし、その結果を分析した記事である。
これがなかなかおもしろい。
アンケートの対象は、20代から50代までのそれぞれ100人。つまり全
部で400人ですな。
で、結果だが、以下にご紹介するのは、「社長、役員ら経営陣の問題点は
?」という質問に対する答えの順位である。「社長、役員ら経営陣」というの
は、つまりマネジのことだ。
1位:明確なビジョンの欠如
2位:ビジョンや経営哲学を伝える努力の欠如や機会の少なさ
3位:経営判断が心許ない
4位:リーダーシップの欠如
5位:安易なコスト削減、リストラに走る
6位:保守的な事なかれ主義
「欠如」という言葉の出演回数の多いこと。要するになにかが足らんわけで
ある。ふむふむ。
また、「ビジョン」という言葉もよく出てきますな。やっぱこういう不透明
な時代は、懐中電灯を持って、「こっち、こっち」するリーダーが必要とされ
ているのである。
アンケート結果については、「まあこんなもんだろう」という気がする。一
応、ツボはおさえている。
では、ニューヨークの日系企業に関してはどうだろう。
アンケートをとったことがないのでよくわからんが、おそらく似たような結
果になると思う。
ただ、それらの回答のほかに「市場を知らない」や「仕事内容を理解してい
ない」「経営感覚がまったくない」「雇われ社長感覚」などが入ることが予想
される。
ちなみに『AERA』のアンケートには、「理想のトップ」に関する質問もあ
る。回答の1位はカルロス・ゴーン氏、2位:石原慎太郎氏、3位:本田宗一
郎氏となっている。
彼らの経営哲学やリーダーシップ論に関する本は、ちまたに山ほど存在する
と思う。だれだって買おうと思えば買えるのである。
なのに世の中には、ビジョンが不明確で、自分の意志や哲学を社員に伝える
能力がなく、経営判断がユルユルで、リーダーシップの「リ」の字もなく、な
にかと言えばコストカット&リストラに全力疾走し、保守ゴリゴリのカチカチ
頭を持つマネジ軍団が、これまた山ほど存在するのである。
あんたらさあ、そういう本、ちょっとは読めよ。
でも、このアンケート作戦って結構おもしろいよね。ニューヨークの日系企
業相手にやろうかあな。ちゃんと答えてくれるかなあ。狭い世界だから「うち
のマネジにバレるとやばい」とか思って協力してくんないかなあ。
そのうちやりましょうか。
ひろ
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『日本救出2兆円作戦44』
訪日観光推進に巨大な予算を突っ込む場合、「結果が出んとどうにもなら
ん」という話の続きである。前回は「訪日観光客数」についてお話しした。
「訪日観光客数を増やさんとどうにもならん」という趣旨だった。
今回は、「経験」について語ってみたい。
前にも書いたように、海外での訪日観光推進について、私たち日本人は基本
的にシロウトである。正確には「巨大な予算が付いた訪日観光推進」ですが
ね。
ある程度の予算を海外のいろんなメディアやイベントなどに振り分け、訪日
観光客数を確実に上げるテクニックを持つ日本人は、現在地球上には存在しな
い。なぜなら、これまでだれもやったことがないからである。
しかしながら世の中には、「訪日観光推進はこうやんなくっちゃ」とノタマ
う個人&企業&マスコミが結構いたりする。
ここでクリアーにしておきたいのだが、基本的に彼らが言ってるのはタワゴ
トである。まず「根拠が何もない」。次に「やったこともないくせにエラそう
に言うな」。最後に「現場を知らんだろ」。
ボトムラインは、私が挙げた基本方針の一番最初の心得:「基本的に私たち
は知らんのよ」になる。それ以上でも以下でもない。私たちは「巨大な予算が
付いた訪日観光推進」について、なーーーーーんにも知らんのである。
ということは、これから少しずつ学ばんといかんわけよ。
話を「経験」ネタに戻す。
私たちは今後、「巨大な予算が付いた訪日観光推進」をしっかり経験してい
かねばならない。
おのれの脳ミソできちんと考え、最も効率のいい方法を模索する。そして同
案を実行し、結果を死ぬほど吟味する。その繰り返しだ。
「経験」を積み上げるわけですね。
その際のポイントは、結果をしっかり出すことである。でないと「経験」に
ならないからだ。
たとえば、ニューヨーク・タイムズに訪日観光推進の英字広告を出したとす
る。「今なら日本往復300ドル!」などの具体的な内容ではなく、単なる抽
象的な「Visit Japan!」広告。
そのような広告の場合、結果の測り方が非常にむずかしいのである。だって
アンタ、どうやって測るのよ。やりようがないじゃない。
なにがなんでも「経験」を必要とする私たち日本人にとって、そういうイ
メージ広告は、日本国民の血税の無駄使いでしかない。あとにまったく生きな
いんだから。
「結果が出んとどうにもならん」のである。結果が出ないものはすべて無
駄。そう考えて間違いないだろう。
また、結果が出ないと、責任も明確でなくなるのである。「この案はあいつ
が作った。だからコケたらすべてあいつの責任」。結果がきれいに出てしまう
と、当然そういうことになる。すばらしいではないか。ドンドン責任取っても
らいましょ。
責任が発生すると、人間、緊張するものである。真剣になるわけですな。
結果を重視すると、全体が締まる。無駄がなくなり、緊張感が増強される。
だから「結果が出んとどうにもならん」。
おわかりいただけただろうか。
ひろ
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『NYJJ構造改革8』
相変わらず日本の「柔らかいもの」ビジネスを探している。それらをニュー
ヨークに輸入するためである。目的は、ニューヨークでの日本人の雇用増。お
仕事の数を増やしたいのよね。
6月のあたまに日本に一時帰国する予定だ。2泊だけどさ。その際に深夜に
でも東京を歩き回ってみたいと思っている(昼間は忙しいからね)。ニュー
ヨークで成功しそうなビジネスが山ほどあるはずである。
前回も書いたように、できれば日本的なビジネスのほうがベターだ。ビザが
下りやすいからである。
それともうひとつ、日本人が支配できるような業界だったらラブリーよね。
ほれ、ニューヨークのデリ業界ってコリアン軍団が仕切ってるじゃない。あ
あなったら完ぺきである。雇用をしっかり確保し、デリ経営のノウハウもコ
ミュニティ内に蓄積できる。デリをオープンしたい人間に対して、バックアッ
プすることも可能だ。
ただ、最近の日本人はハングリー精神がないから、コリアン軍団やチャイ
ニーズ軍団のように24時間365日働き続けることを必要とする仕事は無理
だろう。私もイヤですし。
だったら体力&根性勝負ではなく、「技」で競争するビジネスでなければな
らない。さらにその「技」は他の民族が真似しづらいものであるべきである。
私が日本的なビジネスをおすすめするもうひとつの理由はそこにある。日本
的なものであれば、日本人が勝つ可能性が高いからだ。
だれでも参入できる業界ではなく、日本人にとって有利な業種を選び、それ
を独占する。
ちょっと卑怯なように思えるかもしれないが、ニューヨークでサバイブして
いくためにはそれしかない。というか、自分にとって有利なビジネスで食って
いくって基本中の基本よね。
これからニューヨークでは、日本的なものに対する需要が増えることはあっ
ても減ることはない。わたくし、そう断言しますね。だからその波にみんなで
乗ろか。そして日本人用のお仕事を増やそうではないか。
そんなわけで、ちょっくら日本に行ってきます。
ひろ
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『別れ言葉はいらないわ』
いきなり新ネタだが、シリーズになるかどうかは、このコラムを書ききって
みないとわからない。おもしろければ続けるが、そうでなければ、これが最後
である。
「別れ言葉はいらないわ」
別に恋の話ではない。期待した人がいたらごめんちゃい。恋の話はまた次の
機会にね。
この「別れ言葉はいらないわ」は、ニューヨークを去る日本人たちへの私か
らのメッセージである。
最近かなり減ってはきているが、ニューヨークを引き払って日本に帰る日本
人の中には、「なぜ自分はニューヨークを去るのか」について、とうとうと
語ってくれる人がいる。
語ってくれるのはありがたいのだが、彼らに対する私の正直な気持ちは、前
記の「別れ言葉はいらないわ」である。
あんまりヘビーに考える必要はないと思うのよね。「自分はこうこうこうで
こうだから日本に帰るんだ」とかさ。
気持ちはわかる。自分自身に言い聞かせるための「語り」でもあるのだろ
う。
でも、いまなんか日本−NY往復が3万円の時代なのよ。そんなに遠い街じゃ
ないんだから。もっと軽く帰っていいんじゃない。
「あ、今月末に日本に帰ることにしたの。日本に来るときは連絡してね。お
いしいお寿司でも食べに行こうよ」
こういうノリはいかがでしょう。帰る理由も大して説明せずに、きれいサッ
パリまた今度、というやつである。
近頃はそういう日本人が増えている。いいことである。
いやね、日本に帰る理由とかを一生懸命話されちゃうと、なんとなく「言い
訳」っぽく聞こえてしまうのよね。
「言い訳」ってなんか後ろ向きじゃん。これから日本に帰ろうって人が後ろ
向きじゃしょうがねえだろ。
だから私は最近、できるだけその「言い訳」を遮(さえぎ)るよう努力して
いる。
「今度、日本に帰ることにしたんです」
「へえ〜、いいじゃん。おもしろそうじゃん」
「え? まあそうなんですけど・・・」
「いいなあ、おいしいもん食えて。温泉にも入れるしね。オレも帰りたいな
あ」
「このままニューヨークにいても・・・とか思っちゃって」
「ちょうどよかったんじゃない。いい潮時ってやつでしょ。楽しみよね、日
本」
「はい・・・」
自分がニューヨークを去る理由をどっさり肩にかついで日本に帰っても、な
んの役にも立たないと思う。いろんな人に帰国の理由を話して、自分の中で反
芻しても意味ないだろ。牛じゃないんだから。
「そんじゃね」って軽く帰ったらいいのよ。あんまりむずかしいこと考えず
にさ。
そんなわけで、日本に帰る皆さん、「別れ言葉はいらないわ」。
やっぱり1回で終わっちゃいました。
ひろ
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『今週の歌』
「スイマセン 今年の春は なんですか?
寒いわ雨わで 5月が終わる ひろ」
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