2003年6月17日号(No.422)
目次
*『今週の問題』
*『マネジの問題6』
*『日本救出2兆円作戦46』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『今週の問題』
『アメリカンドリーム』という日本語のフリーペーパーがありますな。略し
て『アメ★ドリ』ってやつ。
先日、その『アメ★ドリ』で「新日系人」という言葉を見つけた。日系人で
はなく、「新日系人」。なにやら意味がありそうだ。
同誌ではその言葉について、以下のように説明してあった。
<「新日系人」とは、戦前戦後に移民として渡米した「日系人」とは異な
り、ここ最近日本を飛び出してアメリカに在住をしている日本人のことを指し
ます。新日系人の人口は増え続けていますが、まだアイデンティティが確立さ
れていません。日系人でもなければ、いつか帰国する企業の駐在員でもない。
かといって完全なアメリカ人でもない。ある意味で華僑やユダヤ人に似ている
かもしれません。私たちのような国境を気にしない新日系人の活躍は、日本の
国際化のためにも不可欠だと信じています。アメ★ドリは、アメリカでがん
ばっている新日系人を応援します。>
この「新日系人」だが、私が以前書いた「自分の意志」組というのとおそら
く同じ意味だろう。つまり自分の意志でニューヨークに来た日本人たちである
(私もそのひとりだけどね)。
ある特定の人間集団に「名前を付ける」という行為は、アイデンティティ確
立には欠かせない作業である。ナイスなネーミングは、結束力を爆発的に高め
る効果がある。
たとえば、「新華僑」っていう言葉がありますね。
かなり前に海外に渡り、チャイナタウンを創ったようなチャイニーズ軍団を
「老華僑」、最近海外に出て、アメリカやオーストラリア、東ヨーロッパ、そ
して日本などでバリバリ働いてるチャイニーズ軍団を「新華僑」と呼ぶそう
だ。
その「新華僑」という言葉は比較的新しく、ある中国人ジャーナリストがク
リエイトしたらしい。いまでは「新華僑」という言葉がひとり歩きして、日本
のマスコミでも普通に使われるようになってきている。
要するにネーミングの勝利なわけね。
で、新日系人である。
『アメ★ドリ』のアプローチは、基本的に正しいと私は思う。
確かに、この街に住む「自分の意志」組日本人には名前がない。その人たち
に名前をつけて、お互いの連帯感を生み出すという作戦は、私も強く支持す
る。
がんばれ、がんばれ。
ただ問題は、そのネーミングである。新日系人。ダサくないか。
ダサいという言い方は失礼かもしれない。
古い。
イメージ暗い。
ボロボロになった中古車を無理やり塗装したような感じがするのだが、いか
がなものだろうか。
なによりも問題は、「日系人」という言葉にあると私はニラんでいる。
ちょっとお聞きしますが、日系人って一体だれなんですか。アメリカ人?
それともこっちに長く住んでる日本人? その辺が異常にあやふやな言葉なの
である。
私は個人的に、「日系人=日系アメリカ人」だと解釈している。だから私は
日系人ではない。あくまでも日“本”人よ。
以前、私はこの『週刊Nuts』紙上で「日系人という言葉にサヨナラしよか」
てなことを書いた。原因は、その曖昧さにあった。
また、在外投票運動をやってるときに、この言葉にやたらと苦労させられた
のも理由のひとつだ。そのときのトラウマが「日系人という言葉にサヨナラし
よか」なんて方向に私を走らせたのである。
在外投票の際に苦労したのは、日本に住んでる人たちがアメリカに住んでる
日本人(駐在員と留学生以外)をすべて「日系人」と解釈してしまう点だっ
た。
「彼らって、日本を捨ててアメリカに移り住んだ人たちでしょ。つまり日系
人よね。その人たちがなんで日本の選挙権が必要なのよ」
ま、単なる無知だったわけだが、無知な人間ほど怖いものはない。彼らの頭
の中には、まず「彼らは日系人」というイメージがあり、それが「だったら日
本の選挙権なんていらんやろ」という結論を導き出していたのである。
この場合は、ネーミングパワーが逆に働いちゃったわけね。
「私たちは日系人ではありません。日本人なんです。だから選挙させて
ね」。同運動にたずさわった人間たちは、そうやって日本政府を説得したので
ある。ホント大変だったのよ。
それ以来、私にとって「日系人」という言葉は、憎々しい相手だった。いつ
かどうにかしてやろうと思っていた。
『週刊Nuts』のバックナンバーを読んでいただければわかるが、私は「日系
人」という言葉を一切使わないようにしている。使うのは「日系アメリカ人」
と「日本人」。国籍を基準とした分け方だ。
だって日系人とか言ったって、だれだかわかんないんだも〜ん。あまえる
なって。
ここで話を「新日系人」に戻す。
『アメ★ドリ』のアプローチは評価したい。でも名前はイマイチ。少なくと
も私は「新日系人」とは呼ばれたくありませんね。在外投票の際の悪夢が蘇っ
てくるからだ。
ただ、それはあくまでも私の個人的な意見である。「別にいいんじゃない」
という人もたくさんいると思う。
「新日系人」という言葉、うまく認知されるだろうか。『アメ★ドリ』のお
手並み拝見と参りますか。
私はその間、邪魔せずに大人しく見物させていただくことにする。
すでに邪魔してるという話もあるが。
ひろ
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『マネジの問題6』
なぜアホがマネジになれるのか。永遠のナゾである。
私は前回、そのナゾにチャレンジした。
まず出てきたのは先祖代々説。「アホをマネジにしたのもアホ」という仮説
だった。
「アホをマネジにしたのもアホ」が正しいとすると、そこには最低2匹のア
ホがいるわけである。
金儲けを存在目的とする企業に、なぜ2匹も。ちゃんと金儲けできるのか。
会社は大丈夫なのか。
企業にとってマイナスにしかならない人材が、ヒラではなく、マネジである
不思議。
答えは、ある意味簡単だ。そこにはビジネスの鉄則が欠けているわけであ
る。
「マネジは仕事ができなければならない」。それが徹底されてないがため
に、上記のような現象が起こるのだ。
この場合の「仕事」はすべてを含む。コミュニケーション能力でしょ、人を
使う能力でしょ、他には部下のためにゴールを設定する能力とか。あと、フェ
アであることなんかが挙げられるわね。
それがない人たちが堂々とマネジになれる状況。何かが完全に間違っている
のである。
ならば、「マネジは仕事ができなければならない」が通用しないというか、
重要視されない環境というのは、いかにして生まれるのか。あるいは、どうい
う企業がその落とし穴にハマるのか。
まず考えられるのは、そういう会社は「売上」命ではないということだ。人
材を「売上」で評価すれば、アホは生き残れない。そこには何か別の基準が存
在するか、あるいはその企業自体が「売上」を基準にしない組織体なのである
(たとえば非営利団体とか)。
他には、アホがなんの選考も経ずに、すんなりマネジの席に着くシステムが
存在しているのかもしれない。天下りもそのひとつだ。下られるほうに選択の
権利はない。好き嫌いナシで食べなければならないのである。
考えれば考えるほど恐ろしい世界ですな。
いやいやいや。
続きは次回に。
ひろ
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『日本救出2兆円作戦46』
前回の「答えは現場にある」話の続きである。
訪日観光に携わる人間は、おのれに対し「現場が命」ということを常に言い
聞かせなくてはならない。
特に日本で訪日観光の宣伝等に絡んでる、あるいはこれから絡む人たちは、
よお〜く聞いてほしい。
げ・ん・ば。それしかない。
日本政府はこれまで海外で、ちょこちょことPR活動をやってきたのだが、ど
れもこれもイマイチだった。
原因はただひとつ、物事を日本で考えてるからだ。たとえば海外で宣伝広告
をする場合も、日本の広告代理店に頼んだりするのである。
海外で広告等を展開する場合は当然、その国にある広告代理店を使うのがベ
ストだ。日本の広告代理店も各国のメディアについて、ある程度の情報は持っ
てはいるだろうが、なによりもその国にいないんだからね。結局はわからんわ
けよ。
数年前に日本のいくつかの自治体を2週間ぐらいかけて回ったことがある。
県庁や市役所に行って、海外PR担当者と話したのだが、ほとんどの人々がドメ
スティック脳ミソの持ち主だった。
日本の感覚で海外でのPRも考えてるのである。あと、おのれのアイデアを
疑ってないね。絶対正しいと思ってるフシだらけだった。
自分に絶大なる自信があるにもかかわらず、その根拠はチョー希薄だった。
現場に行ったこともないし、その国の人とも話したことがないという人間がゴ
ロゴロいた。
なのに自信満々。
あんたたち、なんでなのよ。その自信はどこから来るの? 教えてほしい。
彼らはその後、ニューヨークなどでイベントとかPR活動をしょぼしょぼやっ
たりしたのだが、すべてが丸ゴケだった。
当たり前だろ。ちょっとは考えろよ。
あのね、現場を知らんことには物事は始まらないわけね。だったら現場を知
るようにちょっとは努力せんと。日本でふむふむ考えてても、いいアイデアな
んて浮かんで来ないんだから。
一番腹立つのは、そうやっていい加減な気持ちで使ってるのが日本国民の血
税であるという点だ。自分の金だったらそんな適当な使い方しないのに、人の
金だから、まあユルユルだこと。
彼らが現場を知っていれば、そんな馬鹿げた金の使い方はしないのである。
コケるとわかってて金を使うほど、彼らはボンクラではない。
現在の状態は、大した根拠もなく「自分は正しい」と信じ、そのまま谷底に
落ちていった、という感じだろう。
ウダウダ御託はいいから、現場に出なさい。自分たちの自治体に来る外国人
観光客に話しかけなさい。アメリカでPR活動するのなら、こっちに来ていろん
なところを回りなさい。
訪日観光はこれからの産業である。そういう新産業が立ち上がる際の手がか
りになるのは、現場の感覚しかない。だって、だれもやったことがないんだか
ら。
「答えは現場にある」
基本中の基本ですな。こんなちっぽけなミニコミにそういうことを言わせな
いようにしてほしい。
ひろ
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『編集後記』
最近、「またいろんな人に会いたいな」とか思っています。ここ数年、会っ
てなかったのよね。別に家に篭もってたわけじゃないんだけど。
やはり井戸端会議を復活させんといかんでしょう。そう言い続けてすでに
2、3年。今度は本気です。
でも、パーティーとか異業種交流会なんかは苦手なんです。スモールトーク
というのができんのです。
ま、自分ができる範囲内でリハビリしたいと思います。
では、今度は再来週に(来週はお休みします)。
ひろ
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『今週の歌』
「食い物の 番組だったら ニッポンが
世界一だと 思うこの頃 ひろ」
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