2003年8月5日号(No.426)



目次

*『今週の問題』
*『Nuts本の旅:営業編』
*『日本救出2兆円作戦50』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 先日、ドミニカ共和国に行ってきた。
 うちのかみさんのお母ちゃんがドミニカ出身。ま、かみさんにとっては実家 みたいなもんである。
 別に行きたくはなかったのだが、かみさんは3年前に日本に行ってるし、次 は私の番ということで観念した。
 ドミニカはカリブ海に浮かぶ島である。正確には、ひとつの島の東側がドミ ニカで、西側がハイチ。プエルトリコはその島の東に位置する。
 ドミニカに関してひとつ興味があったのは、日本からのドミニカ移民のこと だった。ドミニカに移民した日本人たちが、日本政府を相手に訴訟を起こした という記事を以前、新聞で読んだことがあったからだ。
 そこで、ドミニカに旅立つ1カ月前に関連書をGet。1冊しか見つかんな かったけどさ。
 概要はその新聞の記事で知ってはいたが、実際はもっと悲惨だった。いまか ら約50年前、「豊かな農地がある」という日本政府の言葉を信じて行っては みたが、目の前に広がるのは草も生えない荒地。そこら中、岩だらけだった。
 読みながらムカムカしてきた。日本政府、完全にうそつきですな。訴えられ て当たり前でしょう。
 ドミニカに行った際には、その辺りのこと、つまり日本人移民のことを調べ てみようと思ったのだが、海人間の私とすれば、エメラルドグリーンのカリブ 海の魅力には勝てず、徹底的に海で遊ぶことにした。
 ははははは。
 今回私がドミニカで行動を共にしたのは、スペイン語で言うと「ティア」、 つまりかみさんのおばさんにあたる人だった。
 このおばさん、結構金持ちというか、ドミニカにはリッチ(金持ち)とプア (貧乏人)の2種類の人種しか存在せず、そのリッチのほうに属していた。
 私はこれまでいろんな国を放浪したが、いつも立ち位置はプア・サイドだっ た。すべて貧乏旅行だったからね。
 今回が初めてのリッチ・サイドの旅行。結構緊張した。
 リッチな立場で旅行してわかったのが、「物事は両サイドから見んとわから ん」ということだった。
 プア・サイドでは見えないことが見えるのである。感じられないことが感じ られる、と言ってもいい。要するにコインの表と裏が見えるわけよ。
 貧乏旅行とかしてると、「貧しくてもたくましく生きる人々」とか勝手に 思ってしまって、自分の中でひとりで盛り上がったりするのだが、リッチに旅 行すると、そんな心温まる発見はあまりない。逆に心が凍えたりするのであ る。暑い国なんだけど。
 いやね、「貧しい人たちを貧しいままにしておくシステム」ってやつが、 リッチ・サイドからはよく見えるのよ、これが。なにやら怖くなった。
 そして、リッチな人たちには現状を変える気持ちがほとんどないってこと。
 彼らは、別に悪い人たちではないのである。うちのおばさんなんか、私がこ れまで会った人間の中でベスト3に入るほどいい人だった。
 でも、いまのリッチ&プアの状態に対する不満はないのだ。
 リッチの家にはメイドさんが必ずいて、家事はすべて彼らがやる。別に地位 が上がるわけでもなく、いつまでもメイドのままだ。リッチはリッチ、プアは プア。おそらくお互いの立場に疑問を持つこともなく、静かに時間だけが経っ ていく。
 強固なシステムだった。あれはしばらく変わらんね。
 話が急激に変わるが、ドミニカという国にはクレイジードライバーが山ほど 住んでいる。
 運転がうまいヘタの問題ではない。思い切って言おう。ドミニカ人の車間距 離感覚は、絶対に間違ってると。
 彼らの能力を完全否定しているみたいで申し訳ないのだが、私は自信を持っ て完全否定するよ。悪いけど。
 あのね、時速100キロぐらいで走ってて、なんで前の車との距離が5メー トルしかないのよ。急に止まったらどうするわけ?
 あと、信号待ちするためにブレーキかけて、なんでそのまま止まってる前の 車にぶつかるのよ。前の車に当たらないようにするのがブレーキの役目なん じゃないの。ぶつけて止めてどうすんのよ。
 私はドミニカの地に降り立って24時間以内に4件の交通事故を見た。そし て8日間の滞在の間に、私の乗った車が2度、他の車にぶつかった。
 ドミニカ人と車の相性が悪いのか。恐ろしい国である。
 しかしながら一方で、異常にすぐれた部分もある。たとえばスーパーマー ケット。
 ドミニカのスーパーは、アメリカより上等である。
 私は以前、日本のスーパーで働いてたことがあるので、同業界については結 構詳しいのだが、ドミニカのスーパーはいいよ。アメリカの比ではないし、も しかしたら日本よりいいかもしれない。それくらいのレベルなのである。
 発展途上国だといってナメてはいかんね。私も最初は「どのくらいのレベル のスーパーなのかしら」と油断してたのだが、フタを開けてびっくり。アメリ カよりいいんでやんの。
 店の清潔度、品揃え、店員の態度、レジの数、その他もろもろ、アメリカの スーパーなんか相手にならないのである。
 ドミニカ人自体がスーパーお得意民族なのだろうか。ニューヨークには、ド ミニカ人が経営するスーパーが結構あるしね。
 ドミニカ人は、車の運転はやめて、スーパーの経営に集中してほしい。
 ドミニカに着いて2日目、私たちは首都サンタドミンゴから西に車を走らせ た。ビーチに行くためだった。
 サンタドミンゴのまわりは緑が生い茂る、まさに亜熱帯な風景なのだが、西 に行くにつれて緑が少なくなる。
 途中、岩だけの茶色い山が見えてきた。おばさんの話によると、西に行けば 行くほど、このような風景になるという。
 その乾いた山々を見ながら、私はドミニカに送られてきた日本人移民のこと を思い出していた。
 彼らが見たのも、きっとあんな荒地だったのだろう。
 ビーチに着き、水着に着替え、波うち際に腰を下ろすと、正面に茶色い山々 が続いていた。
 横ではかみさんが、海水が異常に塩辛いと言って騒いでいる。ナメてみる と、ホントに塩辛かった。
 「移民たちの涙のせいかも・・・」というのは、いま書きながら考えた。
 水着の中に入り込んでくる砂を感じながら、私はしばらくの間、湾の向こう 側にある乾いた風景をながめていた。
 今度ドミニカに行く際は、日本人移民たちが入植した地域を訪れてみるつも りだ。
 たぶん。
                   ひろ
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『Nuts本の旅:営業編2』

 がんばって売ってます。はい。
 前回アメリカでの売り方についてお話ししたが、現実はやはり同時進行であ る。日本での売り方もしっかり考えんといかんということだ。
 もちろんアメリカでもその他の国でも一生懸命売る。でも主戦場は日本であ る。一番売れる可能性があるからね。
 まずはアメリカでの売り方をのんびり考えよ・・・とか思ってたのだが、そ んなヒマはなさそうだ。アメリカでも日本でも一気に動かねばならない。
 出てすぐというのが大切ですからね。騒ぐなら、いましかない。
 というわけで、アメリカでの売り方は、前回お話しした:
 1)日系書店へのアプローチ
 2)レクチャーなどのイベント
 3)メディアでの露出
 が中心となる。問題は日本だ。
 私はいま、ニューヨークにいる。日本にいないのである。この状況で何がで きるか。
 まずインターネットで騒ぐという方法がある。もうやってますがね。
 あとは、書店やメディアへの売り込み。でもニューヨークにいるからねえ。 なかなかむずかしいわ。ホント。
 そこでいきなりNuts読者の皆さんにお願いである。
 Nuts読者の皆さんの中には、私の本を買ってくれる方もいると思う。ありが とうございます。
 一方、買わない人もいる。フン。怒ってどうする。
 私から、その2種類の方々に共通のお願いがあるのだ。
 その名も「本屋での“ありますか?”攻撃」。
 日本のどんな本屋でもいい。私の本を買いに行ったときでも、別の本を買い に行ったときでも、ただ立ち寄ったときでも構わない。とりあえず「あの〜 『NYに住んでも幸せになれない』という本ありますか?」と聞いてほしいので ある。
 その後、買うか買わないかは、皆さんにお任せする。当たり前だが。
 なにはともあれ、「ありますか?」。そのひとことが、Nuts本を救うのであ る。
 それって、つまり読者のニーズってことでしょ。「ほれ、欲しがってる人が いますよ」という本屋さんへのメッセージってことね。
 Nuts本を置いてない本屋は、当然考えるのである。「置くべきかしら」と。
 それが1人だけでなく、2人、3人と続けば、大変な圧力だ。「置いてみ よ」という話になるに違いない。
 そうやって、Nuts本を置いてくれる本屋を増やそうという作戦である。どう でしょうか。
 Nuts読者の皆さん、本屋での「ありますか?」のひとこと、よろしくお願い します。
 と、この文を書いてて思ったのだが、その「本屋での“ありますか?”攻 撃」、よく考えたら私にもできるよね。
 日本に電話するわけよ。「『NYに住んでも幸せになれない』という本ありま すか?」ってね。
 電話代はかさむが、ニューヨークで指くわえてるよりはマシだ。やろか。
 私は電話でがんばるので、皆さんには本屋でのひとこと運動をお願いしま す。
 よろしくね。
                    ひろ
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『日本救出2兆円作戦50』

 アメリカに住むアジア系の人々は、太平洋越えに関して、この国で最もアレ ルギーのない人たちである。
 アメリカで訪日観光を推し進める際、私が一番厄介な問題だと考える問題、 「太平洋越え」。それをあんまり気にしないのが、アジア系なのだ。
 だったら、やっぱアジア系から攻めるべきじゃない?
 アメリカで、あるモノを売ろうとする際、アジア系というのは、非常に攻め やすいマーケットである。
 まず、かたまって暮らしてるケースが多いでしょ。だから、そのかたまって る場所を狙って宣伝できるのである。
 次に、お金持ちであること。
 平均収入を比べた場合、アメリカで一番金持ちの人種は、ホワイトでも ジューイッシュでもなく、アジア系だ。
 ついでにアジア系は、現金主義である。キャッシュってことね。
 さらに、高学歴者が多い。
 アメリカのアジア系はよく3Hと呼ばれる。「High Income」「High Cash」 「High Education」の3Hである。
 お客さんとしては、かなりおいしい人たちでしょ。そう思いません?
 太平洋越えにアレルギーがなく、お客さんとしてもありがたい人たち。完ぺ きですな。
 そしてなによりも、彼らは実際にアジアに行くことが多い。里帰りというや つですな。
 つまり、どっちにしろ、日本付近を通過するわけである。訪日ではなく、越 日。立ち寄りはしないが、物理的には日本に来ているのだ。
 続きは次回に。
                   ひろ
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『今週の歌』

「寝ても本 起きてても本 そんな日々
       続いているのが ただうれしくて ひろ」



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「週刊Nuts」編集部


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