2003年12月23日号(No.436)



目次

*『今週の問題』
*『Nuts本の旅:営業編7』
*『Nuts本の旅:出版編4』
*『たわごとコラム』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 皆さん、『バカの壁』読みましたか。
 ほれ、日本の今年最大のベストセラー本ですがな。養老孟司さんという居酒 屋みたいな名前の人が書いた本ね。
 ちなみに、同書は私の宿敵だった。紀伊國屋NY店の売上ランキングで、私の 本と激しくトップ争いを繰り広げたのだ。
 結果は私の負け。同書のせいで、私の本は結局1位になれなかった。
 ま、相手は日本で250万部以上も売れてる本ですからね。「負けて当たり 前か」と、このまま大人しく引き下がろうと思っていたのである。
 そう、同書を読むまでは・・・
 私は先週、同書を初めて読んだ。そして驚いた。つまんねえ本なんだな、こ れが。書いてあることがよくわからんのである。
 ネタの中心はタイトルの「バカの壁」かと思えば、そうでもない。という か、この「バカの壁」っていうのが、実際はあんまり出てこないのよね。
 代わりに出てくるのが教育とか脳の係数の話。それらも、話とすれば大した ことなし。
 一体に何について書いてあるのか、最後までわからなかった。私の読解力に 問題があるのだろうか。
 要するに、本のポイントがわかんないのよね。「これよ」というのがないの である。読後の「学ばせてもらいました」という満足感もなかった。
 日本のメディアが寄ってたかって絶賛してた『バカの壁』。そのすばらしさ が理解できない私がバカなのか。それとも、褒めに褒めまくったメディアがバ カなのか。
 それにしても、こんな本がなんで250万部も売れたのだろう。だれか途中 で言ってあげればよかったのに。「つまんねえよ」って。要するに「王様は 裸」だと、だれも言えなかったのである。
 ちなみに、同書の価格は680円。安い。
 今回のヒットは「680円だから、ま、いいか」的な要素が激しく働いたと 私は見ている。つまり「安いから、ま、いいか」ベストセラーなのである。
 同書を買った皆さん、どうでしょうか。
 紀伊國屋書店の売上争いで、こんなつまんねえ本に負けた私。悔しさ倍増で すな。ホント、読まなきゃよかった。
 でも、メディアがこんだけ「おもしろい、おもしろい」と大騒ぎしといて、 実際読んでみたらすんげえつまんねえ、みたいなことは、できるだけやめたほ うがいいと思うんですがね。
 だって、それって一種のサギなわけでしょ。そういう売り方が、人々の本離 れに拍車をかけてる可能性もあるのだ。そう思いません?
 というわけで、今回は『バカの壁』に対する恨みを紙面にぶつけてみまし た。
 あー、すっきりした。
                    ひろ
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『Nuts本の旅:営業編7』

 私が日本で自分の本を売るために選んだのは、「東京の大型書店に集中攻 撃」という方法だった。
 例の「本屋でのありますか?攻撃」だが、メインに展開したのは東京の大型 書店。もちろん中小規模の書店や地方での活動もインポータントなのだが、金 などの資源がない私は、どうしてもその攻撃を「東京の大型書店」に集中せざ るを得なかったのだ。
 それはなぜか。
 ここまで数回に渡って本屋の話をしてきたが、本を売る方法には他にもいく つかある。というか、本屋も合わせて全部で3つぐらいしかない。ご紹介しよ う。
 1)本屋
 2)メディア
 3)クチコミ
 メディアというのは、新聞や雑誌に載る書評等のことだ。クチコミというの は、まさにクチコミ。個人レベルの情報流通ですな。
 私の本を売るためには、それらの3つをなんとか起動させなければならな かった。
 最大の問題は、メディアである。こいつをうまく動かせば、他の2つも付い てくるはずだ。
 たとえば、新聞や雑誌の書評に載るでしょ。それを見た各書店が私の本を オーダーしてくれたり、書評を読んだ人たちがクチコミで情報を広げてくれる わけだ。ラブリーですな。
 では、どうやってメディアを動かせばいいのか。
 方法はいろいろ考えられる。私の本を送るとか、プレスリリースを流すと か。
 ひとつ、日本のメディアの特徴として言えるのが、東京への一極集中であ る。主要なメディアはすべて東京に発信点がある。
 ということは、それらのメディアで働く人たち=私の本を取り上げてくれる かもしれない人たちは、東京近辺に住んでるわけだ。
 そろそろ「東京の大型書店に集中攻撃」のココロが見えてきたと思う。
 そうなのである。私が「東京の大型書店に集中攻撃」を選んだのは、本屋を 攻めるのと同時に、メディアで働く人たちの目に触れることを期待したから だった。
 私の実家である熊本の本屋を攻めても、日本の大手メディアで働く人たちの 目には入らない。狙うなら、やはり東京。だから「東京の大型書店に集中攻 撃」。メイクセンスだと思うのですが、いかがでしょうか。
 そんなわけで、私は東京の大型書店を攻めた。
 続きは次回に。
                    ひろ
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『Nuts本の旅:出版編4』

 久々の出版話である。
 前回は、「ニューヨーク病の問題」「NY屁の音の問題」「NY日本人コミュニ ティ」「グリーンカードへの道」「NY日本人男性大改造論」の中から、どれを 1発目のNuts本にしようかなあと思案中・・・というところで話が終わった。
 思案中と書いたが、結果はすぐに出たのである。
 「ニューヨーク病の問題」。これしかなかった。インパクト的にもこのネタ が一番だし、なによりもこれまでだれも書いたことがない内容だった。
 一度決まってしまえば、やるべきことはシンプルだ。
 まず企画書を作るでしょ。それから、同ネタで本を出してくれそうな出版社 を探す。で、そこに企画書を送りつけるのである。
 私の場合は、それとは別に知人に頼んで出版社を紹介してもらった。
 そしたらですね、紹介してもらった2社とも、私の本の出版に興味があるっ て言うじゃないですか。ラッキー。
 とりあえず、企画書バラ撒き作戦をストップし、まずはその2社を攻めるこ とにした。
 攻めるといっても、1社に関してはすぐに「出します」の返事をいただい た。企画書を送ってから、数日後だった。
 もう1社は、最終的に決まるのに半年はかかるという。でも、出版社として の規模はこちらのほうが大きい。
 微妙な選択だった。小さな出版社から速攻で出すのか。あるいは、ある程度 大きな出版社からゆっくり出すのか。
 ただ後者に関しては、まだ正式に決まったわけではなかった。つまり6カ月 後に「出しましぇ〜ん」という答えをもらう可能性も十分あった。
 最終的に私が選択したのは前者だった。ま、普通に考えればそうよね。確実 に出せるほうを選んだわけだ。
 というわけで、最初のNuts本の出版は、1週間で簡単に決まってしまった。
 ラブリーな展開だった。
 続きは次回に。
                   ひろ
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『たわごとコラム』

 私は、トム・クルーズはエラいと思う。いきなりだが。
 これまでトムに関しては(呼び捨てか)、大してペイ・アテンションしてこ なかった。
 確かに映画『トップ・ガン』にはかなり影響を受けたのも事実だ。彼が映画 の中で着ていたジャンパーやサングラスも買ったし、美しい肉体作りにも燃え た。
 しかしそれらは、あくまでも映画の中のキャラクターに憧れたためであり、 トムにはあまり関係なかった。
 トムを好きになることもなく、嫌いになることもなかった。私にとって、彼 はその程度の存在だった。
 私の彼に対する印象というか、私の中での彼のインポータント度が変わった のは、映画『ラスト・サムライ』がきっかけだった。
 彼の演技がどうのこうのという話ではない。私が注目したのは、映画の 「外」での彼の行動だった。
 トムは、自分が出た映画を一生懸命、宣伝する。その姿勢は『ラスト・サム ライ』だけでなく、これまでもそうだったらしい。
 彼は『ラスト・サムライ』の宣伝のため、いろんなところに出まくってい た。もちろん日本にも行った。
 目的は、映画を売るためである。できるだけ多くの人に映画を観てもらうた めである。そしてお金をしこたま稼ぐためだ。
 「結局は金が目的」という見方もあるが、私は彼の、自分が出た作品、自分 が作った作品を気合い入れて売ろうという姿勢にパチパチパチと拍手を送りた くなったのである。
 話はだいぶ小さくなるが、私も自分の本を出して、そのことの重要性を痛感 した。「そのこと」というのは、自分の作品を気合い入れて売る姿勢ね。
 作り手側の人間というのは、「作ったあとは知りません」という態度を取り がちだ。悪い意味でのアーティスト顔をするわけですな。
 彼らは、ビジネスの部分というか、いかにしてお客さんに自分の作品を届け るかという点を軽視する。ボンクラだと思う。
 作ったんなら、売らんかい。宣伝せんかい。
 「作ったあとは知りません」という作り手たちは、トムを見習うべきだと思 う。
 自家用ジェットで日本に行くという荒技は真似できないかもしれないが、そ の姿勢は参考になるはずだ。
 トムはエラい。
 でも、ニコール・キッドマンとの別れ方は嫌いだったけど。
                    ひろ
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『編集後記』

 完全に年末ですねえ。なんかあわただしい。このNutsもドタバタで作りまし た。
 今年はもう1回出すつもりです。うまく出ればいいのですが、さてどうなり ますやら。
 というわけで、今年の反省は次号で。
 では、また来週。
                   ひろ
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『今週の歌』

「道端に あふれる買い物客を見て
      ふと思い出す 地獄のおととし ひろ」
        


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