2004年1月27日号(No.440)



目次

*『今週の問題』
*『Nuts本の旅:営業編10』
*『Nuts週末起業物語2』
*『NY現実堂でおま2』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 「合掌の問題」というものがある。
 合掌。そう、顔の前で手を合わせる、あの「合掌」である。
 前々からこのネタについて一度、語ってみたいと思っていた。そしたら、絶 好のチャンスが来たのである。
 皆さん、ゴールデングローブの授賞式、テレビで見ましたか。
 ほれ、映画の賞のあれよ。25日(日)の夜にNBCでやってたじゃない。
 今回は、日本から俳優の渡辺謙氏も参加。映画『The Last Samurai』での演 技で助演男優賞にノミネートされたのである。日本人とすれば、めでたい話 だ。パチパチパチ。
 授賞式前のレッドカーペットでアメリカ人のリポーターに思いっきりインタ ビューされ、英語で何かしゃべっていたが、同じ日本人の私でも何をしゃべっ ていたかイマイチ理解できなかった。
 謙、なかなかかわいいヤツである。気に入った。
 さて、本番の授賞式。
 それぞれのカテゴリーの受賞者を発表する前って、ノミネートされた一人ひ とりの名前を呼びながらカメラで映すでしょ。
 謙(すっかり呼び捨て)がエントリーした助演男優賞の発表の際も、いつも と同じように一人ひとりにカメラが向けられた。
 そして、謙の番が来たのである。
 そのとき彼はちょっと恥らいながら、何を思ったのか、カメラに向かって合 掌したのである。
 「謙、やりやがったな」
 私はココロの中でそうつぶやいた。
 テレビカメラに向かって合掌したのは、彼が初めてではない。実を言うと、 元シアトル・マリナーズの大魔神、佐々木投手の得意技でもあるだ。
 というか、私が「合掌」に関する疑問を持つに至ったのも、すべて佐々木投 手のおかげなのである。おかげって言うのもなんですが。
 佐々木投手は、その「合掌」技をなんとオールスターゲームで披露。テレビ カメラに向かって手を合わせておがみやがったのである。
 その後も彼が合掌するのを何回か見たような気がする。
 「日本人男性は大舞台において、カメラに向かっておがむ」
 アメリカ国民の大部分がそう考えている可能性もある。だって、オールス ターにゴールデングローブよ。あとはオスカーでだれかがおがんでしまえば、 日本人男性のおがみイメージは確固なものとなるだろう。
 それにしても、彼らはなぜ合掌してしまうのか。
 信心深い仏教徒という説も考えられる。しかし大魔神にしても謙にしても、 日本でカメラに向かって合掌するのを見たことがない。
 となると彼らは、アメリカに来て変わってしまったとしか考えられない。
 おちゃめなアジア人の演出。そういう可能性もある。
 「ここはひとつ合掌でもして、オリエンタルムードを盛り上げよか」
 つまり、サービス精神の表れである。
 さらに日本人というのは、照れ屋ですからね。その場しのぎで、ついおがん でしまうのかもしれない。じっとカメラに見つめられるのに耐えられないのだ ろう。
 タイの人たちが気軽に合掌するのはわかる。だって彼らは実生活でやってる からね。
 でも日本人は違うだろ。合掌なんか、いつするよ。私が最後に合掌したの は、数年前にじいちゃんの墓参りに行ったときだ。だって、そんなときしかお がまんだろ。
 それなのにそれなのに、オールスターでおがみ、ゴールデングローブでおが む日本の男ども。日本人女性は、そんなことしない。エラいよね。
 テレビカメラの前でヘラヘラ合掌するのは、必要以上にアジア人ぶってるみ たいで、なんかアメリカ人に媚びてる感じがする。どうせやるなら、仏壇の前 で鍛えてからにしてほしい。どっかの新興宗教にでも入って、ぶっ倒れるまで おがむのが一番だろう。
 というわけで、謙、新興宗教に入れ。大魔神も。そしたら、カメラの前でお がむのも許してやろう。
 彼らが正々堂々とカメラに向かっておがめる日が来ますように。
 合掌。
                   ひろ
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『Nuts本の旅:営業編10』

 以前「日本の女性誌に本を送ろうかしら」という話があった。もちろん私の 本、『NYに住んでも幸せになれない』の宣伝のためである。
 同書のメインターゲットは、20〜30代の女性である。別に男性でも70 代でも構わないのだが、一番のツボは彼女たちだと考えている。
 そこで考えたのが女性誌へのアプローチ。私の本を手紙入りで送りつけるの である。そしたら本のことを記事にしてくれるかもしれないじゃない。
 実を言うと、まだやってなかったのよね。サッサとやりゃあいいのに、出版 から約半年も経ってしまった。反省。
 というわけで、とうとうやることにした。幸い、2月10日にジュンク堂池 袋店でレクチャーもやるではないか。その宣伝も兼ねて本を送ろうとたくらん だのである。
 早速手紙を書き、本と一緒に送付した。選んだのは10誌。すべて女性誌 だ。
 『an・an』『VOGUE NIPPON』『Oggi』『クレア』『コスモポリタン』『日経 WOMAN』『FIGARO Japon』『FRau』『マリクレール』『流行通信』
 これらの雑誌を選ぶために、私は本屋の女性誌売り場で女性陣にまじって立 ち読みしたよ。そのシーンを見た友人が「奇妙でした」と感想を述べてくれ た。
 そんなことはどうでもいいとして、上記の10誌にご挨拶手紙と一緒に本を 送ったのである。ちなみに送料は、各8ドル40セントで合計84ドル。
 参考までに同封した手紙の内容をご紹介したい。
     *     *     *
○○○編集部さま
 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 はじめまして。ニューヨーク在住の竹永浩之と申します。
 ちょっと前の話になりますが、昨年7月に『NYに住んでも幸せになれない』 という本を出版いたしました。これまでとは違った視点でニューヨークを切り 取ってみました。
 自分的には、日本のメディアに対する嫌味で書いたつもりです。いきなり はっきり言って申し訳ありませんが。
 以前から、日本のメディアが伝えるニューヨークに納得できないものを感じ てました。その思いはいまも同じです。あまりにも表面的すぎるとでも言えば いいのでしょうか。
 現在ニューヨークに住んでいる、あるいはこれから住もうとする日本人に とって、そういうメディアの視点がマイナスに働いてるというのが私の意見で す。同書の中でもたっぷり言及してありますので、ご拝読ください。
 もし同書の内容等にご興味がおありでしたら、2月10日(火)にジュンク 堂池袋店でのレクチャーにぜひお越しください(同封のチラシをご参照くださ い)。
 日本のメディアのニューヨーク観は、かなり古いと思います。もうそろそろ 変わったほうがいいのではないでしょうか。その際に同書を参考にしていただ けたら幸いです。
 挑戦的な手紙で誠に申し訳ありませんが、これからも日本のメディアに対し て、ニューヨークからイチャモンをつけ続けるつもりです。
 今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
     *     *     *
 私はバカか。ケンカ売ってどうする。
 いやね、手紙にもあるように、同書は、一応日本のメディアを批判してるわ けでしょ。その批判してる相手に、掌を返したように「紹介して。お願い」と は言えないよね。
 こういうところが、私はアマいのである。必殺営業人になれないのだ。
 「本の営業のためだったら魂も売る」と誓ったにもかかわらず、このザマ。 修行が足りんな。
 でも、もう送っちゃったからね。あとは知らな〜い。他人事か。
 ま、どうにかなるだろ。どうにもならんと思うが。
                   ひろ
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『Nuts週末起業物語2』

 さて、道端で日本のモノを売ろうという作戦なのだが、いきなりつまずいた よ。
 当初は、日本の100円ショップの商品を売ってみようとたくらんでいたの だが、その意味がちょっとなくなってきたのである。
 原因は、最近ニューヨークでガンガン店舗展開している99セントショップ 「Banzai」である。
 一応、99セントショップということになっているが、実際同店は日本の1 00円ショップの品揃えがウリだ。そう、日本の100円ショップと同じもの が売ってあるわけよ。
 「Banzai」という日本名だが、オーナーはおそらく韓国系だと私は見てい る。どの店に行っても、働いてるのは韓国系の人たちだからね。
 この前まで、クイーンズに2店舗しかなかった「Banzai」だが、ちょっと前 に7番ラインのクイーンズ51丁目駅近くに結構大きめの店をオープンした。 そして、エルムハーストでも新店舗開店の準備が進んでいる。
 この調子なら、いつかマンハッタンにも進出してくるだろう。
 だったら、わざわざ私が100円ショップの商品を売ってみても仕方ないと いうことになる。そんなことは「Banzai」に任せてしまえばいい。
 ただね、ちょっと考えたのよ。
 私がやろうとしているのは、100円ショップ商品をアメリカ人に売り込む ことではない。「アメリカ人は、どういうタイプの日本の商品を好むのか」 「それはなぜなのか」ということを単に知りたいのである。
 実験したい商品が100円ショップの品揃えの中にあれば使えばいいし、な ければ別に試してみる必要もない。
 とまあ、結局そういう結論に落ち着いたのよね。
 来月日本に帰る際に、100円ショップを物色してくるつもりである。 ニューヨークで売れるかどうか実験してみたい商品があれば、ごっそり買って こようと思う。
 その前に試してみたいことがあるのだが、間に合うかなあ。もし間に合うよ うだったら、次号でお話ししたい。
                   ひろ
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『NY現実堂でおま2』

 前回お話ししたように、来月日本に帰ったときにNY現実堂が開けそうなカ フェを探す予定だ。
 もともとNY現実堂は古本屋の名前として私が考えたものである。だから今回 は、古本屋も回ってみようと思っている。楽しみだわあ。
 ところで、2月10日(火)にジュンク堂池袋店で行うレクチャーのあと に、宴会をやろうとたくらんでいるのだが、それを1回目のNY現実堂にするっ ていうのはいかがでしょうか。
 本来の報告会のカタチとはかなり違うが、まあニューヨーク関係者とニュー ヨークに興味のある人が集まるということで、NY現実堂の趣旨には合ってるん じゃないかしらと私は考えている。どうよ。
 ホントは、今回きちんと場を作って、1回目のNY現実堂をやれたらいいのだ が、そういう時間はなさそうだ。なので、宴会をその代わりにすることにし た。
 宴会の場所については、できれば次号でお話ししたい。池袋でやることは決 まっているのだが、まだ場所が確定してないのよ。もう少々お待ちください。 いま探してますからね。
 ま、とりあえずはできるだけNY現実堂の名を売ろか、という話なわけです。
 近々、NY現実堂サイトも立ち上げる予定だ。と言っても、Nutsサイトの中に 作るだけだけどね。
 同サイトでは、できれば書評とかもやりたいのだが、時間がないからなあ。
 ボチボチやろか。
                     ひろ
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『今週の歌』

「イラクより 明日の寒さが 知りたくて
       死人が出ても 大して気にせず ひろ」
                 


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