2004年4月13日号(No.448)



目次

*『今週の問題』
*『NY現実堂でおま10』
*『Nuts本の旅:営業編17』
*『VOICE』 @投書『NY現実堂・実況中継』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 今回は珍しく、いまどきのネタについて語ってみたい。例の日本人拉致事件 についてである。
 先日3人が解放され、今日(4/17)残りの2人も無事に保護された。あーよ かったわあ。
 事件が起きてから、ちまたではさまざまな議論が生まれた。自衛隊を撤退さ せろ・させるな、から始まり、3人の責任論や、果ては「自作自演」説まで。 日本中がこれほどワイワイガヤガヤ議論したのは、久々だと思う。
 それらの論争の中で私が最も注目したのが、3人の「自己責任」論だ。
 「自分の意志で行ったんだから、死んでもしょうがない」
 「責任は彼らにあるんだから、3人の捜査にかかった費用は自己負担させ ろ」
 簡単に言うと、そんな感じでしょうか。ちょっと強引ですが。
 一方で、そういう意見に真っ向から反対する人たちもいる。反「自己責任」 論派である。
 彼らのスタンスは基本的に「なんとしてでも彼らを助けるべきだ」になる。 ただ、中にはいろんな流派があって、「彼らが拉致されたのは自衛隊が原因 だ」や「個人がイラクに入ることを日本政府は制限すべきでない」などがあ る。これもかなり強引な分け方だけどね。
 その「自己責任」論について、地下鉄に揺られながらちょっと考えてみた。
 「自己責任」と言ってしまえば簡単だが、この言葉にはおそろしくいろんな ことが含まれている。
 上記のような「自分の意志で行ったんだから、死んでもしょうがない」論に 導くこともできるし、単に「彼らは自分の責任でイラクに行った」という意味 でとどめることも可能だ。
 にもかかわらず、現在「自己責任」論と言えば、前者の解釈、つまり「死ん でもしょうがない」「悪いのは本人たちだ」ということになってしまってるん じゃないかしら。どうよ。
 もし「自己責任」論=「彼らは自分の責任でイラクに行った」であれば、ほ とんどの人たちは「自己責任」論者になるはずである。反「自己責任」論派 は、その辺を見極めんといかんよね。だって下手したら、単に「彼らは自分の 責任でイラクに行った」と考えてる人まで敵にしちゃうわけでしょ。
 さて、ここでウダウダ語ってみたいのは、「自分の意志で行ったんだから、 死んでもしょうがない」という考え方である。
 一見、スジが通っているように見える。でも実際は「自分の意志で行ったん だから」と「死んでもしょうがない」の間には、ものすごい距離があると思う んですね。というか、基本的に2つは繋がらんだろ。
 ちょっと美しいことを言わせていただくが、「死んでもしょうがない」人間 なんかおらんでしょ。「死んだら困る」人間と「死んでもしょうがない」人 間って、一体どうやって分けるのよ。
 今回の事件で言うと、会社や組織の都合、つまり「他人の意思」で行った人 は「死んだら困る」人間で、3人のように「自分の意志」で行った人たちは 「死んでもしょうがない」人間なのでしょうか。そんなわけねえだろ。
 「他人の意思」組が拉致されたら捜査隊は100人ぐらいで、「自分の意 志」組なら5人とか。「他人の意思」と「自分の意志」が半々の場合は、そう ですね、53人ぐらいでどうでしょうか・・・なんてことはやれんのである。
 それにしても、日本人というのは、どうしていつも「自分の意志」組に対し て冷たいのだろうか。
 これは以前、『週刊Nuts』紙上でも書いたが、ここニューヨークの日本人コ ミュニティ内では、「他人の意思」組である駐在員軍団の地位が高く、それと は反対に「自分の意志」組であるその他大勢の評価が異常に低いのである。
 ある人が言っていたが、日本人は「他の人に推される」ということをやたら と重要視する。理由はわからない。ただいま調べ中ってことね。
 でもさ、普通に考えたら「自分の意志」組のほうがパチパチものよね。だっ て、自分で決めたんだからさ。
 話を戻そう。
 今回の事件のように日本人が何者かに拉致された場合、日本国民および日本 政府にとってのチョイスはひとつしかない。「全力で救出する」。それのみで ある。前後にいろんな意味や条件をつける必要はない。
 たしかに日本は、遭難して死にかけた大学の登山部とかを記者会見に引きず り出して、無理やりにでも謝罪させるような国である。「心配させやがって」 とか「迷惑かけやがって」という気持ちが、世界に誇るほど強いのよね。
 ただ、そういう気持ちは、「助ける」というゴールとは完全に切り離して考 えるべきだ。なのに日本人の場合は、感情的な要因が「やるべきこと」という シンプルなテーマに異常に影響してしまうのである。
 話がむずかしすぎてアタマが痛くなってきた。この辺でやめよう。
 ちなみに他の国では、前記の「自己責任」論をめぐる論争とかは起こるので しょうか。起こるにしても、日本ほど激しく、感情的だったりするのでしょう か。
 私は、「自分の意志で行ったんだから、死んでもしょうがない」などという 意見がこんなにデカくなる国なんて、日本しかないと思うのですが。
 どんなもんかしら。
                   ひろ 
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『NY現実堂でおま10』

 第1回目のNY現実堂は神楽坂で行ったわけだが、その「神楽坂」というチョ イスには、もうひとつ理由がある。
 以前にもお話ししたように、このNY現実堂の最終的なゴールは、東京でブッ クカフェを開くことである。
 ニューヨークやアメリカに関する古本をメインに扱うブックカフェ。その店 の名前が「NY現実堂」になる予定なんですね。
 実現するのはまだまだ先の話だと思うのだが、一応すでに候補地探しは始め ている。その選択肢のひとつとしての「神楽坂」なのである。
 いやね、例の「Bronx」を見つけたとき、「この辺りっていいなあ」って 思ったのよ。で、今回帰国した際に、神楽坂付近を回ったのね。東京での4日 間滞在のうち、3日はウロウロした。そしたら、結構ナイスなのである。
 一番の魅力は、路地が多いこと。ちょっと下町っぽいね。なんか迷路みたい になってて、そんなに車も通らない。
 また、近くに大学もあるし、若い人たちも多い。ついでにアクセスもいいと きた。言うことなしですな。
 話によると、この辺りはフランス人が多いらしい。アメリカとフランスはい ま、犬猿の仲だから、アメリカに関する古本屋とか開いたらバッシングに遭う んじゃないかしら・・・という心配もあるが、店名は「NY」だからね。ま、問 題ないでしょ。
 そんなわけで「神楽坂」について、これからさらにリサーチしてみようと考 えている。ちなみに『神楽坂・まちの手帖』というミニコミ誌があるんです ね。まだ4号までしか出ていない新しい雑誌なのだが、その全バックナンバー を今回購入した。じっくり読んで研究します。
 イベントのほうのNY現実堂も、神楽坂で続けようと思っている。ちょっと腰 を据えて、調べてみるつもりだ。
 「神楽坂でニューヨークのブックカフェ」。なかなかラブリーだと思うのだ が、いかがでしょうか。
                   ひろ
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『Nuts本の旅:営業編17』

 この前、日本に帰った際に神楽坂近辺の書店を回ってみた。先にも書いたよ うに、将来のブックカフェ作戦のためである。
 書店回りをして気づいたのは、編集関係の本や雑誌が多いんですね。
 なんでだろと思っていろんな人に聞いてみたら、神楽坂や飯田橋には出版社 が結構あるらしい。そこを狙っての品揃えなのだろう。
 売り場面積はそんなにないにもかかわらず、編集関連の書籍はしっかり置い てある。「こういうパターンもあるのか」とちょっと感心した。
 日本での本の営業に関して、私はこれまでエネルギーのすべてを大手書店に 集中し、小さい書店は無視してきた。なぜなら「小さな本屋は私の本なんか置 いてくれないわ」と考えてたからだ。
 ただ、今回の神楽坂付近の書店回りで、場所によっては小さな書店でも置い てくれる可能性があることがわかった。
 つまりですね、神楽坂辺りの書店に編集関連の本がたくさん置いてあるの は、その地域に出版社がたくさんあるからでしょ。それと同じように、ニュー ヨークやアメリカに興味があったり、そのフィールドで働いてる人たちが山ほ どウロウロしてる地区の書店には、私の本もきっと置いてくれるはずだわ、と 読んだのである。
 でも問題は、「それは一体どこなのよ」だ。
 東京で、ニューヨークやアメリカに関係する人たちがウロウロする場所。
 たとえば、アメリカ大使館近辺。たくさんいそうですな。
 他には、でっかい英会話教室の近くとか、旅行代理店が集まってる地区と か、そんな感じでしょうか。
 密かにアメリカ棚が充実している書店が、東京にもきっと何軒かあるはずで ある。そこを狙うわけだ。
 う〜ん、いい感じ。でも、そういう本屋を探すのにかなり時間がかかりそう よね。
 がんばろか。
                   ひろ
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『VOICE』

@投書『NY現実堂・実況中継』
@3月30日の大集合イベント「NY現実堂」に参加しました。飯田橋の喫茶店 「ブロンクス」は鰻の寝床のような細長い、奥行きのある店でした。とてもお しゃれな店、とはお世辞に言えませんが、集まる人種のレベルに合わせたので しょうか。次回はもう少し立派な店を選択されるのではないか、と期待してお ります。
A定刻になると40人以上が狭い店内に入り、椅子が無くなって立ちっぱなし の人もいました。70%が女性で、竹永編集長の顔の広さと集客力のすごさに 驚かされます。女性は全員が若く、つぶよりの美人ばかりでした(ヨイ ショ)。これだけの美人を集めるのも竹永さんの実力か人徳でしょうか。
B会場での話題は当然ニューヨークの噂であり、過去に住んでいたことの体験 談か、これから出発するために必要な情報の入手でした。全員が共通する話題 のため、話が途切れることはありません。ただし、もう少し実際に住んでみた 実体験の裏話、要するに失敗ですな、が話題になってもよかったのですが。
C途中で竹永編集長撮影のスライド写真が発表され、最新のトレンドを見るこ とができました。現地で活動している日本人の店が分かり、面白いイベントで す。しかし、フィルムが少ないので、アット言う間に終わってしまった。次回 はもっと多くのフィルムを披露して欲しいものです。過去にニューヨークに 行ったことのある者にとって、今の姿を確かめてみたいからです。
D現在ニューヨークで発行されている日本語のフリーペーパーを展示してくれ たのですが、その種類の多さに驚いた。数年前までは3種類程度だったのが、 二桁にも増加しています。日本人のコミュニケーションが広がっているのです かな。さらに驚いたのは、日本語で印刷された風俗誌が存在することであっ た。ずばり、現地の風俗店が日本女性を募集している広告ばかりのフリーペー パーです。日本では『てぃんくる』というタイトルの雑誌と同じ内容です。こ んなものまでがニューヨークにまで普及するとは思いもよらないものです。
Eさて、イベントは楽しかった。これから年2回は竹永編集長が帰国され、イ ベントを開催されることを望みます。メールだけでは判らない最新のニュー ヨーク事情を生で説明して下さいませんか。同時に、著書も実演販売すれば読 者も増えると思います。
                  日比恆明
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『編集後記』

 イラクが完全に泥沼化してきましたね。9−11の件も再び盛り上がってる みたいですし。
 もしブッシュ大統領が今年の選挙で負ければ、そりゃ国民とメディアからボ コボコにされるでしょうね。
 なんか楽しみがひとつ増えました。
 では、また来週。
                 ひろ
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『今週の歌』

「今回の 人質事件の 反応で
      またイヤになる 日本に住むこと ひろ」
                     


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