2004年5月11日号(No.450)



目次

*『NY現実堂でおま10』
*『Nuts本の旅:出版編8』
*『NYJJ構造改革15』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『NY現実堂でおま10』

 今回のNY現実堂は、イベントでも古本カフェでもなく、「ニューヨークの現 実を日本に伝える」という意味での『NY現実堂でおま』である。
 本を出してみて、私はあらためてニューヨーク情報の「壁」を感じている。
 「ニューヨークの現実は、日本には伝わっていない」
 そう断言させていただきます。
 ま、だから『NYに住んでも幸せになれない』なんていう本を出したんだけど ね。
 その「壁」は思ったよりも厚かった。本1冊ぐらいではビクともしません な。
 おそらく本を出さなければ、その厚さにも気づかずに済んだに違いない。つ まりパンドラの箱を開けちゃったわけよ。その結果、問題の手強さを思い知ら されたのである。
 わたし的には、今回の本で「壁」に穴を開けるつもりだった。
 でも実際は、穴なんてとんでもない。表面をナメただけね。
 私はおのれの無力さを痛感した。
 前述の「壁」というのは、「ニューヨークの現実が日本に伝わらない構造」 である。
 本を出してから、その「構造」についてよく考える。
 たとえば、こうよ。
 ニューヨークの現実が日本に伝わらない原因のひとつは、日本のマスコミに ある。新聞やテレビ、雑誌とかね。
 まず新聞だが、基本的に彼らが扱うのはデカいネタである。ブッシュとか国 連とかウォールストリートとか。ローカル採用軍団の悲劇やニューヨーク病の 現実などは、記事になりづらいのだ。
 その点は、テレビも同じ。さらにテレビは「絵」にならないと取材できない と来ている。ある程度ゴージャスネタでないと、どうにもならんのである。
 また新聞とテレビの場合、取材するのは特派員の皆さんですね。彼らの任期 は通常2〜3年。ニューヨークの日本人コミュニティ内に横たわる問題を発見 するには、あまりにも短すぎるのだ。
 最後に雑誌だが、彼らの切り口はあくまでも「観光」である。「あれ見ま しょう」「これ買いましょう」「それ食いましょう」などの「遠足」ノリが基 本となっている。よくあるニューヨーク特集がいい例だ。
 ニューヨークの特集を組むような雑誌が、ここの現実を伝えることはまず考 えられない。だって、そんなことしたら売れなくなるでしょ。
 というわけで、マスコミ軍団はほぼ全滅である。そして、これからもその状 態が改善されることはまずない。
 では、ニューヨークの現実を日本に伝えるためには、一体どうしたらいいの か。
 インターネットを使ってシコシコやるという手もありますね。私がこの『週 刊Nuts』でやってるみたいに。あとは、本でも出しますか。
 ただ、インターネットにしても本にしても、効果は知れている。やらないよ りはマシだが、マスコミに比べると、むなしいぐらいに非力。困ったもんよ ね。 
 「うむ〜、どうしたもんかのう・・・」
 光はなかなか見えなかった。
 なんか『プロジェクトX』みたいなノリになってきましたな。よかよか。
 さて、ここからが本題である。
 マスコミにも期待できないし、自分でやるのも大変。そんな状況を切り拓く 武器として、私がやっと見つけたのは「ラジオ」だった。
 ほれ、この前、名古屋のラジオに出てるって話したでしょ。それがキッカケ だったわけよ。
 実際に出演して思ったのだが、ラジオって新聞やテレビに比べると自由よ ね。ネタのしばりもユルいし、結構好き勝手なことが言えたりする。テレビと 違って「絵」も必要ないし。
 「ラジオは自由」で思い出すのは、9−11直後のニューヨークである。
 テロ直後、ニューヨークのほぼすべてのメディアは「行け行けブッシュ」状 態だった。反ブッシュ的な記事や発言はタブーとされ、だれもブッシュを批判 できなかった。
 そんな時期に、最初にブッシュ批判を始めたのは、ラジオだった。
 ニューヨークって、リベラル派のDJっていうのが結構いるでしょ。私の知 る限り、彼らが最初だったね。
 そのとき、私は思ったのである。「ラジオって自由でいいわ」と。
 サイズ的にもラジオというのはラブリーである。新聞やテレビほどデカくな く、でもそれなりのマスにリーチできる。ついでにお手軽。電話さえあれば、 世界中どこからでも出演できる。
 今後「ニューヨークの現実を日本に伝える」にあたり、私はラジオを積極的 に使ってみたいと考えている。使うったって、私の勝手にさせてくれるわけで はないが、ラジオを通してニューヨークの現実をお伝えしようとたくらんどる のである。
 組み合わせ的には、ラジオとインターネットと本ね。この3点セットで攻め てみたい。
 しゃべりの練習しなくっちゃ。
                      ひろ
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『Nuts本の旅:出版編8』

 今回が『Nuts本の旅:出版編』の最終回である。
 出版に至るまで大して苦労しなかったので、話もイマイチ盛り上がりません でしたな。
 自分の本を出版する方法だが、実際にはいろいろある。ニューヨーク在住の 方で本を出したい人がいたら、お気軽にご相談ください。紀伊國屋書店のカ フェでアイスティーをおごってくれたらいろいろ教えてあげるわよ。いかがで しょうか。
 最近、本の執筆よりプロデュースや営業のほうがおもしろくなってきた。書 くのよりそっちのほうがエキサイティングなのよね。
 ただ、次の本の予定はまったくない。そろそろ動き出そうかなあ・・・とは 思っているが、なんといってもネタが問題である。
 ちょっと考えます。
 というわけで、『Nuts本の旅:出版編』はこれでオシマイ。
                     ひろ
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『NYJJ構造改革15』

 最近、ニューヨークのあちこちでチャイニーズ系およびコリアン系のカフェ をよく見る。
 小奇麗で一見、日本にあるカフェのようだ。それが雨後のタケノコのよう に、あっちでポコリ、こっちでポコリ開店している。
 日本の皆さんはあまりご存知ないが、ニューヨークのカフェのレベルは意外 に低い。日本に比べると、クールなカフェが少ないのである。
 スターバックスが出てくる前は、ニューヨークはまさに無残な状態だった。 スターバックスが次から次に開店できたのは、この街にそういうビジネスがな かったからだ。
 そういう意味では、ニューヨークは田舎モノである。カフェビジネスにおい ては、発展途上都市と言えるだろう。
 そのことに、チャイニーズ&コリアン軍団は気づいてしまったのだ。
 彼らはこれまで、クールなビジネスにはあまり手を出してこなかった。
 デリ、クリーニング屋、コインランドリー、ネイルサロンなどの生活に密着 した地道ビジネスこそが、彼らの得意技だった。
 ところがここに来て、チャイニーズ&コリアン軍団の動きに変化が見られる のだ。
 「ニューヨークのカフェって、意外にレベル低いよね。だったらオレらがや ろか」
 チャイニーズ系&コリアン系カフェの雨後のタケノコ状態は、彼らのそうい う思いを物語っている。
 いやね、これまでもチャイニーズ系&コリアン系カフェはあったのよ。で も、それらはいつもチャイナタウンやコリアンタウン内にとどまっていたので ある。
 それがアナタ、最近は、自分たちの縄張りの外に出て商売しようとしている のである。本格的に攻めの態勢に入ったのだ。
 そんなイケイケバンバンな彼らの様子を見て、私は「またか・・・」と思わ ざるを得ない。なぜならニューヨークの日本人軍団は、再びチャイニーズ&コ リアン軍団に先を越されてしまったのである。
 カフェに関しては、チャイニーズ&コリアン軍団よりも日本人のほうが上だ と私は断言してしまう。インテリアのセンスにしても、メニューに対するこだ わりにしても、私たち日本人が勝っている。別に彼らを見下してるわけではな く、客観的に考えてもそうだと思う。
 日本人に有利なビジネスにもかかわらず、私たちはまた出遅れてしまった。
 100円ショップに関してもそうだった。先に手を出したのはコリアン軍団 だ。彼らは100円ショップをクイーンズでガンガン展開中である。
 私たち日本人は、このようなチンタラ状態をいつまで続けるのだろうか。
 おいしいビジネスであれば、自分たちでやるに限る。でも、いつもやられっ ぱなしなのだ。
 そういうところもぜひ構造改革すべきですな。
 皆さんもそう思いません?
                     ひろ
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『編集後記』

 最近、再び発行頻度があやしくなってきてますが、ご心配なく。今後はきち んと出しますんで。
 この前、バンコクで発行されてる日本語コミュニティ誌を見る機会がありま した。
 これがすごいんですわ。数誌見たんですが、まあどれも内容の充実してるこ と。編集のレベルは明らかにニューヨークよりバンコクのほうが上ですね。
 同じことが上海にも言えます。上海の日本語コミュニティ誌もすごいです よ。本屋で売ってる雑誌みたいな情報誌をタダで配ってたりしますからね。
 わたくし、前から思ってたんですが、ニューヨークの日本語コミュニティ 誌って、意外と編集のレベルが低いじゃないですか。内容にしてもレイアウト にしても、イマイチ垢抜けない感じです。
 でも、私たちって無意識のうちに「コミュニティ誌なら、ニューヨークが一 番だろ」とか思ってたりします。こわいですね。
 バンコクや上海の日本語コミュニティ誌を見ると、「これは本物が作ってる ね」という感じがします。「本物」というのは、日本で編集能力を鍛えた人た ちです。
 ニューヨークのコミュニティ誌には、そういう「本物」感がほとんどありま せん。「ニセモノ」とは言いませんが、「まだ修行中」的な匂いがします。
 というわけで、ニューヨークで日本語編集にかかわる皆さん。おのれの実力 を過信しないよう気をつけてくださいね。油断してたら、大変なことになって たりしますから。私のように。
 井の中のカワズにならないよう、お互いがんばりましょうね。
 では、また来週。
                    ひろ
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『今週の歌』

「ブッシュ氏の 再選阻止を 願うよに
        次から次へと 出てくるトンマ ひろ」
        


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「週刊Nuts」編集部


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