2004年6月8日号(No.453)
目次
*『今週の問題』
*『NYJJ構造改革18』
*『たわごとコラム』
*『今週の歌』
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『今週の問題』
今年に入って、アメリカの食文化が急激に変化しているように見えるのだ
が、気のせいだろうか。まるでパチンとスイッチが入ったかのような勢いで変
わり始めている。少なくとも私はそう思う。
一番象徴的だったのが、マクドナルドのスーパーサイズの廃止である。デブ
な方々を中心にあれほど愛されていたスーパーサイズをいきなりカット。代わ
りにサラダをメニューに加えた。
また、クソあまいドーナツで有名なKrispy Kremeが四半期で初めて赤字を計
上。多くの人々を驚かせた。
なんか風向きが変わってきてるのよ。ホントに。マクドナルドの創業者も今
年亡くなっちゃったからなあ。
トレンドは「脱ファーストフード」。マクドナルドなどのファーストフード
が目の仇にされ始めているのだ。タバコの次にイケニエになるのは、ファース
トフード産業という説もある。
最近、『Supersize Me』という映画が話題だ。
マクドナルドの実態を追ったドキュメンタリーで、その手法は『Bowling
for Columbine』のマイケル・ムーア監督に近い。
『Supersize Me』では、監督自身が30日間、朝・昼・晩とマクドナルドを
食べ続け、レジで「スーパーサイズにしますか?」と聞かれたら、イエスと答
えるのがルールになっている。
1カ月間、マクドナルドだけを食べるのである。サウンド的には結構やれそ
うな感じもするが、同作を観れば、その恐ろしさがわかるはずだ。
まず、見事に太るわけですね。次に肝臓がボロボロになる。30日間でアル
中患者の肝臓みたいになっちゃうのである。
その他にもいろんな障害が出てくる。セックスも弱くなるみたいですな。
ちまたでは、マクドナルドがスーパーサイズを廃止したのは、同作が原因と
言われている。もちろんマクドナルドは否定してるみたいですがね。
アメリカのデブ社会は、来るところまで来ている。これ以上、デブ化するこ
とはないというのが私の読みだ。
したがって、今回のファーストフード逆風状態は、しばらく続くというか、
今後一層強まるはずである。
では、アメリカの食文化は、これからどこに向かうのか。
もともと大した食文化を持たない国である。今後も独自の食文化をクリエイ
トすることは無理だろう。
となると方法としては、他の食文化を取り入れるというか、すでにアダプト
したエスニック料理をアメリカ人にとっての「フツーの食べ物」化するしかな
い。
チャイニーズは、立ち位置的にファーストフードに近い。なのでヘルシー志
向の波には乗れないはずだ。
コリアンやインディアンは、アメリカ人にとってはスパイスが強すぎて、メ
インストリームの食い物にはなれない。タイやマレーシアは味としては結構イ
ケるが、ヘルシー色が少し弱い。
フレンチやイタリアンはすでに入るだけ入ってるので、打ち止め状態。中東
やアフリカ系は論外だろう。
で、最終的に残るのが日本食。要するにそれが言いたかったわけね。
断言しよう。今後アメリカの食文化は、日本食および日本風フードに向かう
はずである。
「日本風フード」というのは、ビアードパパのシュークリームやモスバー
ガーみたいなヤツね。日本が取り入れて改良した「外」の食い物ということ
だ。
これからアメリカ人は、日本食および日本風フードをたくさん食うことにな
る。それはつまり、私たち日本人にとって、巨大なビジネスチャンスなわけで
すね。ただボーっと見てるだけではなく、しっかり活用しなければならないの
だ。
というか、アメリカを無理にでも「日本食および日本風フード」方面に向か
わせるぐらいの気合いと作戦が必要である。こっちから積極的に仕掛けるの
よ。待ってるだけじゃなくてね。
アメリカの食文化は、今後激しく「Japan」化するよ。
みんな、しっかり準備するように。
ひろ
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『NYJJ構造改革18』
日本で「ネオ屋台」というのが流行ってるらしい。
これまでの屋台とは違って、ランチタイムにも出没。メニューも沖縄料理や
シシカバブなど一風変わった品揃えとなっているようだ。オフィス街が縄張り
みたいですな。
実現性の高さや機動性において、屋台というスタイルはナイスである。店舗
を持つよりずっと楽だしね。
今後のニューヨークにおける日本人ビジネスを考える際、「屋台」というビ
ジネスモデルはベリー参考になると思う。特に前述のネオ屋台。そのまま
ニューヨークに持ってきたいぐらいだ。
今回のネオ屋台ブームは、「店を開きたいけど金かかるし、それならば・・
・」という人たちがクリエイトしたムーブメントだと私は読んでいる。
「店を開きたいけど金かかるし、それならば・・・」。インポータントなの
は、「それならば」の部分だ。正確には、その姿勢ですね。
壁にぶつかっても、なんとか切り抜けようとする精神。そしてそれをサポー
トするアイデア力。私たちニューヨークの日本人に最も足りない部分ではない
だろうか。いきなりですが。
ニューヨークには、やる気満々でアイデア力あふれる日本人がたくさん集
まってそうだが、実はそれほどでもない。皆さんのまわりを見回してほしい。
口ばっかで、何にもやらん人が山ほどいると思う。私とか。あなたとか。
そういう人たちは、夢だけはデカかったりする。でも、デカいだけ。一歩一
歩にじり寄っていくという技がなかなかできないのだ。
とりあえず、やれることから始める。つまり「ネオ屋台」スピリッツであ
る。
店がダメなら屋台。屋台がダメなら道端で。ポリスに見つかりそうになった
ら、スタコラサッサ。ニューヨークの日本人には、そのくらいのゲリラ魂が必
要だろう。
ただ、その際の注意点をひとつ。
ニューヨークの道端とかでモノを売ったりするでしょ。するとですね、その
行為に異常なまでに意味を持たせようとする愚か者が結構いるのである。
「オレ、ニューヨークでこんなことやったんだもんね」
日本だったら大したことないのに、場所が「ニューヨーク」ってことで必要
以上に評価を高めようとする人々である。要するに武勇伝化させてしまうわけ
ですな。
ま、そのあとも武勇伝を続けてくれたらいいのだが、普通は1、2回でオダ
ブツ。日本への土産話と化して終わりである。
繰り返しになるが、ニューヨークの日本人は、日本のネオ屋台軍団を見習う
べきである。
彼らはエラい。「とりあえずやってみよう」という姿勢がなんともラブリー
だ。
日本とかニューヨークとか、場所はあまり関係ないのである。問題はやるか
どうかよ。
確かに、異国の地でおのれのやりたいことをやるには、恐ろしいほどのパ
ワーがいる。ただ私たちニューヨーク日本人軍団は、場所を言い訳にしすぎる
傾向があるので、そこは要注意だろう。
すべての基本は「やったもん勝ち」。そして同時に、ジコマンに陥らないよ
うにする。
日本のネオ屋台ブームは、私たちにいろんなことを教えてくれるわけです
ね。
ありがたい話です。
ひろ
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『たわごとコラム』
『深呼吸の必要』という映画を観た。沖縄のサトウキビ刈りに参加した若者
たちをテーマにした青春映画である。
同作を観て、私は「沖縄ブームも、とうとうここまで来たか」と思った。
本土の若い衆が沖縄に憧れるのはわかる。また、沖縄を舞台にした青春映画
が1本、2本あっても、私は怒ったりはしない。
でも、よりによってサトウキビかい。それもみんなでキビ刈って青春してる
のである。
少なくとも、私が知ってるサトウキビ刈りは地獄だった。
雨が降ろうと風が吹こうと、毎日畑に出てサトウキビを刈る。そういう生活
が約3カ月間続いた。休みは3カ月間で1日半しかなかった。青春こいてる余
裕などなかったのである。
朝起きると、指が硬直して動かないことがよくあった。そのままトイレでウ
ンコなんかした日には、尻が拭けなくて大変な事態に発展した。
それぞれに悩みを抱えた若者たちがサトウキビ刈りを通して自分自身を発見
していく・・・なんてことは微塵もなかったのである。
私は毎日、休むことなく畑で働きながら、「馬とか牛は、いつもきっとこう
いう気分なんだろうなあ」と考えていた。
一応、若者っぽく、ウォークマンでビートルズを聴きながらサトウキビを
刈ったりした。そのせいで、二度とビートルズを聴けない人間になってしまっ
た。なぜなら、ビートルズを聴くと、あのイマイマしいサトウキビ刈りの日々
を思い出してしまうのである。
なのになのに『深呼吸の必要』の若者たちは、男女揃ってサトウキビ畑を楽
しそうに駆けたりするのだ。キャッチボールまでしやがるし。
私と一緒にサトウキビ畑で働いたのは、すべておっさんだった。そのおっさ
んのひとりに騙されて、私は夕飯にネコを食ったことがある。畑から帰ってき
たら、「鶏肉」と称するおかずを出され、それを私は骨までしゃぶって食った
のである。
次の朝、おっさんは昨夜のおかずが「ネコ」であったことを私に明かし、そ
の晩はネコのシメ方まで伝授してくれた。
サトウキビ刈りというのは、そういうものなのである。自分探しの前に、ま
ずネコを食わなければならないのだ。違うよ。
『深呼吸の必要』というのは、なかなか気の利いたタイトルだと思う。その
点は拍手してもいいだろう。パチパチパチ。
しかし、サトウキビ畑で青春してしまうのは、なんとも納得しがたい。ナメ
てるとしか思えないのである。
この『深呼吸の必要』をもって、「沖縄ブーム」は「沖縄崇拝」へと進化し
たのではないだろうか。沖縄のニューヨーク化と言ってもいい。
ニューヨークの日本食レストランで働くことが青春物語となるように、沖縄
でのサトウキビ刈りも美しい自分探しの旅になってしまうわけですね。
あーコワ。
次のターゲットは、ウミンチュ(漁師)かなあ。沖縄で素潜りの漁師を目指
す、本土の若者たちの物語とか。
そのほうが『深呼吸の必要』というタイトルにはピッタリなのだが。
ほれ、素潜りする前に深呼吸するでしょ。だから、って説明したらオチにな
らないのだが念のため。
ひろ
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『今週の歌』
「後悔を しない生き方 してきたと
自負する自分を 後悔している ひろ」
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