2004年6月15日号(No.454)



目次

*『今週の問題』
*『NYJJ構造改革19』
*『日本人男性大改造論7』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 先月、サードアベニューの47丁目と48丁目の間にクレープ屋がオープン した。
 ちなみに看板には「Japanese Crepe」と書いてある。
 その店を発見したとき、一瞬「お、日本のクレープ屋かな?」と思った。で も店名は「Koli Koli」。どう考えても日本人のネーミングとは思えなかっ た。
 オープンの数日後、ランチを食いに行った。
 働いていたのは、全員チャイニーズ。おそらく台湾系だろう。となると、 「Japanese Crepe」というのもウソか。
 ランチのテイクアウトで30分も待たされ、なおかつ味もイマイチ。まだ オープンしたてということを考慮しても、食い物屋としては落第点を付けざる を得なかった。
 「こういうのを“Japanese Crepe”だって名乗られるのって、日本人にした ら迷惑よね」
 ランチを食い終わったあと、私は漠然とそう考えたのである。
 「食い物ナショナリズム」とでも呼べばいいのだろうか。「他の人種が作っ た食い物を“Japanese”と名乗られるのは、日本人として迷惑」。そういう思 想である。
 確かに同クレープ屋は、サービスも味もイマイチだった。
 まだ慣れてなかったということもあるのだろう。いま行ったら、驚くほど良 くなってるかもしれない。
 しかしそれでも、私の「食い物ナショナリズム」は残ると思う。
 それって、やっぱり恥ずかしいことなのかしら。もっと広い心を持たなくっ ちゃいけないのかしら。迷惑だとか考えたらダメなのかしら。
 チャイニーズ軍団が「Japanese Crepe」と名乗ったことを誇りに思うことも できる。「彼らが真似したいと思うほどの日本のクレープ」という解釈であ る。
 でも、私はそう考えなかった。走った方向は完全に逆。つまり「迷惑だわ」 だった。
 これがチャイニーズではなく、白人だったらどうだろう。白人軍団が真似る 「Japanese Crepe」である。
 そのときの「食い物ナショナリズム」の燃え方は、チャイニーズの場合とは かなり違うと思う。「ありがたい」。そちら側に走るような気がする。皆さん もそう思いません?
 「ありがたい」と考える理由は、チャイニーズより白人のほうがエラいから なのか。それとも、クレープのもともとのオーナーである白人たちが日本人の 技を認めてくれたことが嬉しいからなのか。
 たとえば寿司の場合は、私の「食い物ナショナリズム」は違う燃え方をす る。
 日本人以外が作った寿司は、私にとってはどれも邪道である。その姿勢は チャイニーズでも白人でも同じだ。
 「チャイニーズや白人の皆さんが寿司を作るなんて、日本人として嬉しい わ」という気持ちもあることはあるのだ。でも、無意識ベースではあくまでも 「邪道」。自分で金を出して食おうとは思わない。
 そういう私の態度を正当化するつもりはまったくない。「心が狭い」と言わ れれば、「はい、その通りです」としか答えられないのだ。
 他の人種が日本の食い物をコピーしたぐらいで、ガタガタ言うほうが間違っ ている。私もその点はよ〜く理解している。
 でも止まらない、私の「食い物ナショナリズム」。
 あたしって、右翼なのかしら。
 皆さんもとりあえずそのクレープ屋に行って、おのれの「食い物ナショナリ ズム」について考えてみてほしい。
 マズくても暴れないように。
                    ひろ
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『NYJJ構造改革19』

 最近日本では、フリマ(フリーマーケット)がホットみたいですな。またま た日本ネタで申し訳ないが。
 特に「アートフリマ」と呼ばれる芸術系のフリマが増えているらしい。アー ティストたちがおのれの作品を売るわけよ。
 フリマと先週お話ししたネオ屋台は、兄弟みたいなもんである。機動力が あって低コストなゲリラ・スタイル。それが両者の共通点だ。
 流れとすればラブリーだと思う。とりあえずやってみようという行動派が増 えてる証拠である。
 それにしても日本は、あっという間にフリマ文化を吸収したよねえ。フリマ だったら、すでにニューヨークより東京のほうが充実してるだろ。その数も東 京のほうがきっと多いはずだ。
 さて、ニューヨークの話である。
 近頃、フリマに出店してる日本人をよく見るようになった。以前はそれほど 見なかったのよ。でもここ1、2年、明らかに増えているのだ。
 また、道路をクローズして行われるストリートフェアでも日本人の店を見か けることが多くなった。ゲリラ・スタイルとしてのフリマやストリートフェア が、ニューヨークに住む日本人の間にも少しずつ浸透してきてるのである。
 出店してる日本人の多くは、アーティストだ。それも注目すべき点である。 だって、ニューヨークに住む日本人アーティストって、昔から自分を売り込む のが下手で、ひとりで部屋にこもってシコシコやってる人が多かったからね。
 そういう意味では、日本人アーティスト軍団もかなり変わってきた。ビジネ スセンスを持つ人が増えたというか、ニューヨークでどうにかしてサバイブし たいという姿勢が表に見えるようになったのだ。
 すばらしい。パチパチパチ。
 今後も私たちニューヨーク日本人、特にアーティスト軍団は、フリマやスト リートフェアにガンガン参加すべきである。できれば日本からの参加もあった らいいわよね。
 こうなったらいっそのこと、「Japan」をテーマにしたフリマをやったらど うかしら。私はやらんけど。とりあえずアイデアってことで。
 でも、フリマを自分たちで立ち上げるのは結構大変そうよね。フリマで事故 とかあったら、すぐスーされそうだし。その辺が面倒といえば面倒である。
 ま、あんまり無茶はせずに、各イベントにガンガン参加することから始めま しょか。それだけでも、いままでに比べたらかなりの進歩なんだから。
 さあ、夏はフリマやストリートフェアの季節。がんばろか。
                   ひろ
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『日本人男性大改造論7』

 チョー久々の『日本人男性大改造論』である。今週からいきなり復活するこ とにした。
 そのきっかけとなったのは、『AERA』2月2日号に掲載された「外国人女性 にもてる日本の男」という記事である。
 「いかんな、これは」
 私は同記事を読んでそう思った。
 ポジティブ思考としての「外国人女性にもてる日本の男」ならまだ許せる。 正確には「外国人女性にもてる男になろう」という切り口である。
 しかし同記事は違った。「外国人女性にもてる日本の男」というタイトルそ のままの内容だった。
 詳しいことは次回お話しするが、なにはともあれ、わたくし、それにキレた わけですね。で、『日本人男性大改造論』を復活させることにしたのだ。って その記事が出てから4カ月以上も経ってますが。
 以前、この『日本人男性大改造論』を連載していた際に、私が一部の日本人 男性たちから受けた批判のひとつは「自分がアメリカ人女性と結婚したからっ てエラそうに」というものだった。
 そう、私のかみさんはアメリカ人である。グリーンカード目的という話もあ るが、一応建前上は「恋愛結婚」ということになっている。
 「アメリカ人女性と結婚=アメリカ人女性にモテる」
 世の中には、そう解釈する人もいる。
 となると、私が語る『日本人男性大改造論』は「アメリカ人女性にモテる男 が教える恋愛テクニック」的な響きを持ってしまうことになる。
 アプセットしてしまった男性たちは、おそらくそこが気に入らなかったのだ ろう。本当に誠に申し訳ないことをした。あんたたちのケツの穴がそんなに小 さいとは思わなかったもんで。「そんなこと言ってるからモテねえんだよ」と 言いたくなるところだが、ここでは言わない。
 さて、前述の「アメリカ人女性と結婚=アメリカ人女性にモテる」説だが、 意外に多くの人たちがそう信じているようだ。中には、もう少し範囲を広くし て「アメリカ人女性と付き合ったことがある=アメリカ人女性にモテる」と考 える人もいる。特にアメリカ人女性と過去に付き合ったことのある日本人男性 は、そう信じたがる傾向にある。
 はっきり言ってしまうが、「アメリカ人女性と結婚=アメリカ人女性にモテ る」も「アメリカ人女性と付き合ったことがある=アメリカ人女性にモテる」 もウソっぱちである。そんなことはあり得ない。
 皆さんもご存知だとは思うが、世の中には「物好き」と呼ばれる人たちがい る。もちろん、ここアメリカにもそういう人たちがいるわけだ。つまり、日本 人男性に恋してしまうアメリカ人女性も存在するってことよ。
 私とかみさんの結婚は、一種の交通事故みたいなものである。偶然そうなっ たに過ぎないのだ。
 私の信念はいまだに「日本人男性はモテない」である。当然、私もインク ルード。だって自分がモテるかどうか、アメリカに12年も住んでりゃ、イヤ でもわかるべな。
 こういうことを言うと、今度は「アメリカ人女性と結婚してるけど、それは あんまり気にしないで。ボクもキミたちと同じようにモテないんだからさ。よ ろしく」と私がわざわざ下界におりてきたみたいに取ってしまう人間がいたり するからおもしろいのである。ヒマよね。ホント。
 私が議論したいのはただひとつ、「どうやったらアメリカ人女性にモテるよ うになるのか」。それのみだ。
 何度も言うが、私たち日本人男性はモテないのである。他の議論に時間を費 やす余裕はない。どうやったらモテるようになるかを全力で検討しなくてはな らないのだ。
 「自分がアメリカ人女性と結婚したからってエラそうに」などとイジケてる 場合ではない。そんな時間があったら、もっと真剣に考えろよ。だからおめえ たちはモテねえんだよ。このアホが。
 また、過去にアメリカ人女性と付き合ったことがあり、そのことを勲章のよ うに思っている日本人男性諸君にも言いたい。「目を覚ませ」と。おめえがホ ントにモテるとでも思ってんのか。そんなの偶然だよ、偶然。相手が物好き だっただけなのである。ちょっと冷静に考えればわかるだろ。
 私たち日本人男性はいま、どん底に立っているのである。まずそのことを認 めない限り、日本人男性の地位向上はあり得ないのだ。
 ただ逆に言うと、もう落ちようがないとも考えられる。あとは上がるだけ。 これからはベターになる一方ということですな。
 そんなわけで、そろそろ真剣に議論しよか。
                      ひろ
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『今週の歌』

「世の中は 腹立つことが 多すぎて
      深呼吸して つぶやく“ナマステ〜” ひろ」
        


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「週刊Nuts」編集部


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