2004年8月3日号(No.459)
目次
*『今週の問題』
*『NYJJ構造改革24』
*『日本人男性大改造論11』
*『編集後記』
*『今週の歌』
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『今週の問題』
最近、日本の作家やノンフィクションライターが書く海外モノにつくづく限
界を感じる。進化の過程がブッ止まってて、先に進めないって感じね。
以前、この『週刊Nuts』でも書いたように、日本のプロの書き手たちが書く
海外体験記や紀行文は、基本的に「遠足エッセイ」である。
見たこと、聞いたこと、食べたこと、感じたこと。通常は、それがベースと
なる。
ヨソ者がふらっと現れて、ブラブラして帰る。
つまり単なる見物人なわけね。
中にはかなりドタバタして帰る人もいるが、所詮は一時滞在。表面をナメた
だけだ。
海外モノで有名なのは、小田実さんの『何でも見てやろう』や沢木耕太郎さ
んの『深夜特急』などになる。
両書とも内容はおもしろいが、スタンスはあくまでも「遠足エッセイ」だ。
なんだかんだ言っても、ヨソ者の旅行記でしかない。
そして、日本の海外モノは、小田さんや沢木さんあたりでブッ止まってい
る。その後もいろんなタイプの海外モノが出ているが、基本は「見学」だ。
私が「遠足エッセイ」や「見学」を目のカタキにしてるのは、そういうプロ
の書き手たちの見方が、読者やメディアに伝染してしまうからである。要する
に「これが正しい海外の捉え方です」てな感じになりがちなのよね。
「遠足エッセイ」や「見学」はもう古いと私は思う。
ちなみにその先にあるのは「住む」だが、「憧れのニューヨークに住んでる
ア・タ・シ」的エッセイや汗と涙の熱血物語も同じように古い。
私が「いまの時代はこれやね」と思うのは、もっと冷静な「淡々と住む」モ
ノである。
ニューヨークとかロンドンとかパリなどの「入れ物」に振り回されるのでは
なく、着実に自分の住む場所を作っていく。
別にその国に骨を埋めろとは言わない。でも、マイノリティとしてのおのれ
の立場を理解し、さまざまなハンディを克服しながら、サバイブしなければな
らない。
その辺のスタンスで書かれたエッセイなりノンフィクションがそろそろ出て
きてもいいんじゃないかしら、と思うのである。
日本人にとっては、海外旅行も海外に住むのも、すでに「普通のこと」と
なっている。ニューヨークに住むのだってハナクソよ。じぇんじぇん特別なこ
とじゃないんだから。
日本の若い衆は、将来住む場所のチョイスとして、「東京」や「大阪」と共
に「ニューヨーク」や「ロンドン」「パリ」「上海」などの海外の都市も躊躇
なく加えていいと思う。
その際に彼らに必要なのは、へナヘナした海外の「遠足エッセイ」ではな
く、「淡々と住む」ことをベースにしたノンフィクションだ。もう「憧れ」だ
の「夢」だの言ってる時代ではないのである。
日本の出版社の皆さん、そろそろ「遠足エッセイ」を卒業しませんか。時代
に乗り遅れてますよ。
よろしくお願いしますね。
ひろ
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『NYJJ構造改革24』
「アメリカ人はどうやって新しい日本食にチャレンジするのか」
最近わたくし、そんなことを考えました。
日本食レストランに行ってウエイター・ウエイトレスにすすめられたとか、
友達の日本人が作ってくれたとか、なんらかのキッカケがあるはずである。
私はそのキッカケを無理矢理2つに絞り込んだ。
「ランチ」と「ディナー」。この2つである。
アメリカ人は、ランチとディナーのどちらで新しい日本食にチャレンジする
のか。
もちろん明確な答えはない。
ただ、その答えを追求することによって、日本食レストランにおけるランチ
とディナーに新しい役割を与えられるんじゃないかしら、と思ったのである。
要するに、わたくし、ヒマなんですね。
さて、問題のランチとディナーだが、気軽に低額で楽しめるのは明らかにラ
ンチのほうである。
たとえば、マンハッタンのミッドタウンで働くアメリカ人の1カ月間の食生
活を考えてみた場合、日本食を食べたのはランチのほうが多い、というのが私
の読みである。
アメリカ人の中にも会社にランチを持参する人はいるが、大部分はレストラ
ンやテイクアウトで済ませている。よって、日本食に遭遇する機会も増えるわ
けだ。
反対にディナーは、ランチに比べると自宅で食べる割合が高い。アメリカ人
は自宅では日本食なんかなかなか作らんからね。自動的にディナーにおける日
本食の比率は低くなる。
ただ、ランチの弱点は時間が短いことだ。ディナーみたいにいろんなものを
ゆっくり食べるというわけにはいかない。日本食レストランのランチメニュー
自体も限られてるしね。
また、時間&メニューに制約があるため、新しい日本食にチャレンジする機
会もディナーに比べれば少ない。
この辺で一度まとめてみよう。
ランチ=日本食に遭遇する機会は多いが、時間&メニューの制約がある
ディナー=日本食を食べる頻度は少ないが、時間をかけていろんなメニュー
にチャレンジできる
ここからちょっと大きな話になる。
21世紀におけるニューヨークの日本食レストラン業界のゴールは、ただひ
とつだけである。
「アメリカ人が日本食をもっともっと食べてくれること」
上記の「もっともっと」は、「いまはカツ丼を1杯だけ食べてるんだけど、
これからは毎回2杯に」という意味ではない。
つまりポイントは「量」ではなく、「頻度」と「種類」なのである。ま、カ
ツ丼2杯食ってくれたら、ありがたいけどね。
アメリカ人が日本食を食べることの「頻度」を高め、彼らが食べる「種類」
を増やす。そのために「ランチ」と「ディナー」をどのように使ったらいいの
か。
このコラムで私が言いたかったのは、そこなんですね。
前述のようにランチのほうが日本食を食べる頻度が高いわけだから、それを
使わない手はない。たとえば、通常のランチメニューのほかに、実験的なラン
チセットをひとつ用意するとかはいかがだろうか。アメリカ人に新しい味を覚
えさせるための試食的な位置付けだ。
またディナーに関しても、前菜を使っていろんな日本食にチャレンジさせる
ことも可能である。「これを売ろう」と決めて、ウエイター・ウエイトレスに
集中的におすすめしてもらってもいいわね。
で、ここが大切なのだが、そのおすすめ料理を今度はランチセットにして出
すのである。アメリカ人客にしっかり味を覚えてもらうためだ。
彼らの「食べられる日本食リスト」に加えることができたらラッキー。そう
やって、彼らの「日本食」力を少しずつ強化するのである。
どうでしょ。自分ではいい作戦だと思うのですが。
日本食レストラン業界の皆さん、ぜひご検討ください。
ひろ
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『日本人男性大改造論11』
ニューヨークにカッコいい日本人男性が少ないのはなぜか。
勝手に「カッコいい日本人男性が少ない」と決め付けてるが、そのほうが話
がおもしろくなるのでこのまま突き進むことにしたい。
まず最初に確認したいのは、ニューヨークにどういうタイプの日本人男性が
住んでいるかだ。
以下に列記してみた。
1)駐在員
2)ニューヨーク採用
3)ローカル企業
4)日本食レストラン
5)ミュージシャン&アーティストなどのクリエーター
6)チンタラ
もし「カッコいい」という要素が、持ってる金の量と比例する場合、(2)
から(6)までの軍団は苦しい戦いを強いられることになる。だって、貧乏な
人が多いからね。
ただ現実には、「カッコいい」は持ってる金の量と比例しないことが多い。
ラッキー。
たとえば、(1)の「駐在員」と(5)の「ミュージシャン&アーティスト
などのクリエーター」を比べた場合、「カッコいい」という基準においては、
後者のほうが勝ちそうな気がする。
あくまでも個人によるのよ。でも一般的な認識では、やはり後者だろう。
しかし、前回この欄で書いたように、「年齢で言えば30〜40代。ルック
スはちょっとアーティストっぽくて知的な感じ。服装はこざっぱりしてるが、
服に対するこだわりがそこはかとなく漂っている」というタイプがカッコいい
とする場合は、話が違ってくる。
同タイプは明らかに金銭力のある男たちだ。ニューヨークの「ミュージシャ
ン&アーティストなどのクリエーター」軍団に近いような感じもするが、実際
はかなり遠い。やはり「金」の部分が決定的にディファレントなのよね。
また、ニューヨークの日本人男性と日本の男性を比べると、通常前者のほう
が小汚い。
ニューヨークという街は、小汚いことに関して比較的おおらかである。それ
は男性だけでなく、女性にも言える。日本みたいにビシビシに決めなくても
OK。すっぴんでも問題なしだ。
したがって、ここでは「服装はこざっぱりしてるが、服に対するこだわりが
そこはかとなく漂っている」というタイプは発生しづらいと言えるだろう。街
自体がユルユルだからね。
何を書いているのか、自分でもわからんようになってきた。
そんなわけで、続きは次回に。
ひろ
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『編集後記』
近々、『週刊Nuts』の発行を2週間ほどお休みするかもしれません。まだ決
定ではないのですが、「夏休み」と思っていただけたら幸いです。
皆さんはもう夏休み、取りましたか。
もう8月ですからね。急いで取りましょう。
私は去年の夏、ドミニカ共和国に行きました。
日本人は一般的に、バハマのほうが好きなのですが、私はドミニカのほうが
ぜんぜんいいですね。だって食い物がうまいんですもの。それと、アメリカ人
観光客が少ない。
もし機会がありましたら、ドミニカ共和国にも行ってみてください。いいと
ころですよ。
では、また来週。じゃなくて、おそらく2週間後に。
ひろ
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『今週の歌』
「かみさんの 家族に囲まれ はや12年
磯野家における マスオさん状態 ひろ」
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