2005年2月15日号(No.472)



目次

*『今週の問題』
*『NYのバカたち』
*『不動産買え買え作戦5』
*『NYのマスオさん7』
*『今週の歌』
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『今週の問題』

 今回は子供ネタである。
 でも、独身の人や子供がいない人にもできるだけわかりやすく書こうと思 う。少し長くなるが、最後までお付き合いいただきたい。
 初めて子供を持つというのは、一体どういうことなのか。
 一般には「ホント大変よ」だとか「人生変わるね」などと言われることが多 いが、はっきり言ってどれも抽象的である。
 私もマイサンが生まれる前、いろんな人に「大変だよ」と言われた。
 ただ、何がどう大変なのかを噛み砕いて説明してくれた人は皆無だった。
 自分でメシを食うことも、トイレに行くこともできない人間(赤ん坊)が、 身近なところに出現するのである。その世話がある意味、「大変」であること は間違いない。
 でも、所詮は人間の赤ん坊である。ライオンの世話をするのに比べたら、圧 倒的に簡単なはずだ。別に噛み付くわけでもないし、小さいしね。
 基本的には「慣れ」の問題だろう。慣れてさえいれば、作業的には大したこ とはない。
 しかし、それでも人々は「大変」だと言うのである。
 ということは、作業だけの問題じゃないのよね。要するに、慣れても「大 変」なわけでしょ。
 たとえば、うちのかみさんを見てて思うのは、まわりの環境の急激な変化で ある。
 特に人間関係。私との関係や家族、友達との関係が、音を立てて変わるので ある。
 通常、自分のまわりにいる人間たちの顔ぶれが変わるのは、大学を卒業して 就職するときや結婚するときなどだ。ニューヨークに住む日本人であれば、 「ニューヨークに来たとき」というのも当然入るだろう。
 それまでの交友関係を一回リセットして、ある友達とは付き合いが深くなっ たり、別の友達とは疎遠になったり、または新しい友達を作ったりするのであ る。
 クラスの席がえみたいなもので、なんとなくリフレッシュ感はあるが、その 新しい環境にアジャストするためには、それなりのパワーが必要なのも事実 だ。
 つまり、いろんな人間関係を自分なりに調整しないといけないわけね。
 それと似たような現象が、子供が生まれたときにも起こるのである。
 夫婦の関係、両親や家族との関係、そして友達との関係。
 先にも書いたように、子供が生まれると家庭内の作業量が爆発的に増える。 すると、自分のパートナーの要領の良さや悪さがはっきり見えちゃうんです ね。
 「こんなに不器用とは思わなかった・・・」なんていう発見があったりする のである。コワいですね。
 両親との関係で言えば、特にかみさんとその母親との距離が一気に縮まって しまうことに注目しなければならない。
 ほれ、子育ての場合、かみさん側のお母さんがよく手伝ってくれるわけじゃ ない。手伝うっていうのは、それだけ近くにいるってことでしょ。つまり、か みさんの人生にその母親がズカリと踏み込んでくるのである。
 たしかに母親のヘルプは大きい。でも、そこでも人間関係をうまく調整しな ければならないのだ。
 最後に友達との関係についてだが、子供が生まれると交友関係も微妙に、と きには激しく変化するのである。
 まず、子持ちの友達との距離が縮まる。
 これは当たり前と言えば、当たり前の話よね。子育てに関する質問とか聞か ないといけないし、子供同士をぶつけ合って、親はひと休みするという手も使 えるからだ。
 独身の友達との距離はケースバイケースだろう。一気に近づく(手伝ってく れる)友達もいるし、限りなく疎遠になってしまう人もいる。要するに、ここ でもシャッフルが行われるのである。
 以上のように、子供が生まれると、子供に関するドタバタだけではなく、そ れまでの人間関係にもドタバタが起こる。
 さらにオマケとして、かみさんのホルモンも変わるし、難産だったりした ら、その後の体調にも激しく影響するのだ。
 一般に、子供を持つことの大変さについて語る場合、「子供」だけに注目し がちだが、その他のこと、つまり人間関係の変化とか、かみさんの身体のこと などもベリー重要なのである。
 そういう全体的な「大変さ」というものが、子供を持ってない人たちには意 外に理解されてないんじゃないかしら、というのが私の意見なのですが、いか がでしょうか。
 確かに子供を持つことは、実際に大変である。でも、どういうことが大変か を理解してしまえば、それほどビビることはないのだ。
 というわけで、初めて子供を持つことは「大変よ」ではなく、「いろんな意 味で大変よ」ということになる。
 あんまり変わんないけど。
                     ひろ
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『NYのバカたち』

 新連載である。
 その名も『NYのバカたち』。
 別にバカを取り上げようというのではない。私たちの中に棲むバカな部分に ついて考えてみたいのである。
 ニューヨークの日本人コミュニティを見てきて、今月でちょうど13年にな る。
 13年前に比べたら、同コミュニティもかなりよくなったと思う。
 ただ、問題はまだまだたくさん存在する。
 私が一番厄介だと思うのが、私たちニューヨークに住む日本人の中に存在す るバカな部分である。
 だれだって、ひとつやふたつはバカな部分を持っている。中には、星の数ほ どのバカ要素をお持ちの方もいるかもしれない。
 ニューヨークの日本人コミュニティの成長をこれまで妨げてきたのが、そう いうバカな部分である、というのが私の説なのだ。
 たとえば、若い衆をつぶすとか、人の足を引っ張るとか、日本人同士で協力 しないとか、いろんなバカ要素が私たちの中には存在するのである。それが同 コミュニティの成長を止めてるわけね。
 私がここでフォーカスするのは、できるだけ多くの日本人がここニューヨー クでハッピーに暮らしていくことを邪魔してる「バカな部分」である。
 「挨拶の仕方も知らないんだから」とか「礼儀がなってない」などの小バカ ネタは、取り上げない。ターゲットは、もっと深刻なバカさ加減だ。
 私の本をお読みになった方はすでにご理解されてると思うが、私は「できる だけ多くの日本人がニューヨークでハッピーに暮らしていける状態」=「自分 のやりたいことでメシを食っていける状態」と考えている。
 つまり、ポイントは「仕事」なわけね。
 したがって、私がここで取り上げるのは、ニューヨークに住む日本人の仕事 を増やすことを邪魔してる「バカな部分」ということになる。
 一体だれのどういうバカ要素が、日本人のためのジョブ・クリエーションを バーダーしてるのか。
 続きは次回に。
                    ひろ
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『不動産買え買え作戦5』

 ニューヨークで不動産屋をやってるイトコが以前、不動産を買う際のコツみ たいなものを教えてくれた。
 そのイトコによると、3つの「D」がインポータントということだった。
 3つの「D」というのは、「Death」「Divorce」「Desperate」。そのとき に不動産が安く動くというのである。
 まず「Death」だが、これはわかりますね。
 たとえば、コープにひとりで住んでたお年寄りが死んじゃった場合。子供は いるにはいるが、みんな遠くに住んでて、そのコープもサッサと売っぱらっ ちゃいたいとする。
 こういうときは、かなり安く買える。
 「Divorce」も基本的には同じだ。
 離婚の際に不動産等を処理するわけだが、やはりお互いにサッサと済ませて しまいたいのである。
 不動産を買う側にすれば、そこにチャンスが生まれる。
 相手はサッサと済ませたい人々だ。さらに特筆すべきことは、彼らは仲間割 れ状態ということである(離婚するんだからね)。夫婦で話し合いながら、ど うのこうのというのは考えられない。つまり、こっちとすれば扱いやすい相手 なわけね。
 夫婦間の亀裂を利用して、不動産をお手頃価格で購入するのである。
 そして最後が「Desperate」。
 自暴自棄とか、いますぐキャッシュが必要な人、「もう、どうにでもして」 という人が、勢いに任せて不動産を売っぱらってしまうのを狙うのである。
 なんと言っても困ってる人をターゲットにするのが一番だろう。問題はどう やってそういう人を探すかだが。
 というわけで、上記の3Dは、他人の不幸をうまく活用することがポイント となっている。
 逆に言うと、不幸が発生するとき、そこには不動産が安く動く可能性が生ま れるのである。
 みんなでひとの不幸を探しましょう。
                     ひろ
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『NYのマスオさん7』

 スタバのコーヒー並みのお値段の排卵日チェッカーがとうとう反応した。そ れは私とかみさんに、24時間以内に卵が落ちてくることを知らせるメッセン ジャーだった。
 こうなったら、やるしかないわけである。
 ただ、むやみにやればいいというものでもない。それなりの準備というか、 作戦のようなものが必要だった。
 たとえば、精子と卵をいかにして出会わせるかである。
 最も大切なのは精子がきっちり泳いでくれることだった。
 私はおのれの精子のスイミング力に、ひそかに自信を持っていた。
 昔から私は、泳ぐのが得意だった。なぜだかわからないが、水が好きなので ある。おそらく前世は、魚だったのだろう。
 そんな私の精子たちである。スイスイ泳げるに決まっている。でも、彼らの スイミング力だけに頼るのは、やはり不安だった。
 泳ぐ方向を間違ってしまう可能性もあるのだ。親として、それなりのお手伝 いをしなければ、と私は考えた。
 通常精子は、エッチ後、子宮の中を奥へ奥へと泳いでいくことになってい る。
 ということは、彼らが泳いでいる最中にかみさんが起き上がったりしたら、 鮭の滝登り状態になってしまうわけだ。
 したがって、かみさんはエッチ後、しばらくの間、横になっててもらう必要 があった。
 喉が渇いたからキッチンに行って水飲むとか、トイレに行くなども禁止とし た。
 「エッチ後は、少なくとも2時間は寝てろ」
 自動的にキッチンに水を取りに行くのは、私の役目となったのだった。
                   ひろ
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『今週の歌』

「友達に 子育てについて ガタガタと
       語ってどうする まだ7カ月 ひろ」
             


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「週刊Nuts」編集部


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