1995年9月19日号

(No.80)


                     Nutsの表紙です

@週刊Nuts「平成の目安箱」

村山首相様
前略
 首相、まだ辞めないで下さいね。お願いします。
 さて、海の生物たちの続きであります。先週は「日本人は後先考えずに、 採るだけ採って、食うだけ食う。」という話をしました。で、最初の予定で は今週、「いかにしてお魚さんたちがいなくならないように彼らを食ってい くか」という話をするつもりだったのですが、ちょっとその予定を変えるこ とにしました。
 9月12日付けのウォール・ストリート・ジャーナルの一面に、なんと以 前お話ししたメイン州のウニについての記事が掲載されました。メインで働 くウニ採りダイバーのことが書いてありました。
 記事の内容を簡単に説明すると、「あるウニ採りダイバーさんがいました。 数年前まで彼はウニを山ほど採っていました。でも最近、そのウニがあまり 採れなくなり、それに気づいたお役所がウニ採りに関する規制を作りました。 彼は困ってしまいました。しかし彼は今日もウニを採りに海へと出かけるの でした。」というカンジです。
 この記事は別にウニを山ほど買う国・日本を批判したものではありません。 現在の状況を事実に基づいて客観的に書いてあります。
 この記事の中に面白い数字が何個か出てきます。ご紹介しましょう。まず、 メイン州に登録しているウニ採りダイバー及びウニ採り漁師たちが去年一年 間で稼いだお金=3千3百万ドル(約33億円)。(メイン州には約2600 人の漁業従事者がウニ採り許可書を持っている。) 1994年に、ウニの 輸出によってメイン州に落ちたお金=7千5百万ドル(約75億円)。この 記事の中に出てくるウニ採りダイバーの年間収入最高記録=7万ドル(約7 百万円、1992年)。かなり稼いでいますね。だからこそ、エッサホイサ、 ウニを採ってしまうのでしょう。確かに日本がウニをガッポリ輸入している 訳ですから、貿易黒字削減には役立ちそうですが、問題はこの削減方法には 先がなく、下手をすると相手国に大ひんしゅくを買ってしまう恐れがあるこ とです。
 この記事の中にはどのくらいのペースでウニがなくなりつつあるのか、と いうことは書いてありません。ただ記事をよーく読むと「このままじゃ、ウ ニがいなくなるんじゃないか?」という疑問が生まれてきます。実際にその 州としてウニ採りに関する規制を作った訳ですから、確実にウニの数は減っ ているのでしょう。そして、そこで採られたウニのほとんどは日本に送られ ているという事実。さて、どうしましょうか?
 この海産物ネタは来週トドメを刺します。では。  草々
             「週刊Nuts」編集人  竹永浩之

         

「Nuts世界観光案内」アジア放浪編・パート6

 黒々としていかにも硬そうな肌をしていた。
 私はリングの向こう側にあるサンドバックをじっと眺めていた。  「やっぱりやめちゃおうかな」。心の中で少し思う。でも、もうどうにも 止まらない。覚悟を決めて、それに向かってゆっくりと歩き始めた。
 床はコンクリート。ヒヤリとする。靴は履いてない。裸足だ。
 みんな見ている。「見るな、おめえ」と言いたいところであるが、そんな 余裕はない。私はただじっとサンドバックを見つめ、歩いた。
 その前に立つ。でかいな。表面がピーンと張って、ゆるみがない。私の足 を温かく受けとめてくれるようには見えなかった。
 縦が1メートル半、幅が60センチぐらいか。重さはおそらく100キロ 以上あるだろう。表面がピカピカ光っている。黒光りというやつである。
「脂性の水牛」といったところだった。かなり長い間、使われていると見た。 でも、その疲れはこのサンドバック上には見えなかった。
 左手でそっと触れる。ゾクリとした。信じられないほど硬かったのである。 次に右手も当てて、両手でその硬さを探る。もうコチコチよ。でも、その動 揺をここの少年達に感づかれてはヤバイ。私は表情ひとつ変えずに、両手で サンドバックを愛撫した。「こいつ、本気でかてえぞ!」。心の中でそう吠 えた。ブルブルしている自分とワクワクしている自分がいた。「あんなもの、 本気で蹴ったら・・・」、「でも、あのガキどもは嬉々として蹴りまくって たじゃねえか。やっちまえ!」。いろんな思いが交錯する。その時、私の顔 には不気味な笑みが張り付いていた。右の頬をサンドバックにそっと寄せる。 汗臭かった。
 ゆっくりとサンドバックから離れる。さて、いよいよショータイム。間合 いを計る。左足を前に、右足を後ろに。そこで軽くステップする。最初は右 足の蹴りで行くつもりだった。両拳はアゴの高さ。グーを作らず、ゆるめの パーぐらいにする。左拳が前に出て、右拳はアゴの横。そのアゴはギュッと 引いてある。段々本気になってきた。
 周りのことは気にならなかった。今はただこのサンドバックが憎かった。 「まったく愛想のない顔しやがって。見てろよ。手加減しねえぞ」。心の中 はかなりの盛り上がりを見せていた。もうこうなったら最初から全力で行く しかない。最初の一発に私の身体の中のありったけの力を込める。そのため に全神経を私の右足に集中する。頭の中を「海外保険」という文字がよぎっ たが、深く考えずに、とりあえず、蹴りをかますことに集中した。
 前後に揺すっていた身体をゆっくりと止める。気をギリギリと練る。血が 右足に集中する。重心を少し後ろにし、身体をためる。準備OK。いつでも発 射できる。行くか。
 「シュッ!」。そして、私の右足は勢いよくコンクリートの床を蹴り、弧 を描きながら、サンドバックへとすっ飛んでいった。 
            Hiro

「USビジネス・ニュース様へ」

USビジネスニュース様
前略
 USビジネスニュースPR版9月号、拝読致しました。
 表紙の記事、「日本女性のイエローキャブ説は本当か?」を読ませて頂き ました。感服致しました。この時期に「イエローキャブ」。すばらしい。
「やられたね。」というのが巷の人々の代表的な声でございます。
 これまでにも「日本人留学生の実態」などのヒット作を世間に送り込まれ、 そして今回、遅ればせながらの「イエローキャブ」。一部には「Nutsに喧嘩 売ってんじゃないの?」などという声もございますが、いやいや、とんでも ない。ビジネスニュース様と同じ土俵で勝負するなんて・・・。このNutsも そこまで落ちぶれてはおりません。
 先日、朝日新聞の中にこのような文を見つけました。「百年前、ニューヨー クで、セックス、スキャンダル、犯罪記事を売り物にした新聞がつぎつぎに 発刊され、部数を競った。新聞漫画の登場人物の名にちなんでイエロー・ ジャーナリズムと呼ばれたが、その特徴は 1. あらゆる方面のセンセーショ ナルな事実を題材とする。または故意にセンセーション化する 2. あらゆる 種類の感情に訴える題材を扱う 3. ニュースを探し出すのではなく、ニュー スをつくる(小野秀雄『内外新聞史』)」。この文を掲載したことに別に深 い意味はございません。お気になさらないように。
 数カ月前は「日本人留学生」、そして今回「日本人女性」。ビジネスニュー ス様の「弱い者は叩くだけ叩け!」という姿勢、感動的でございます。容赦 なく女子供をイジる強さ。「日本人」というマイノリティの中から「女子供」 というマイノリティを掘り出してきて、それを社会のイケニエにする大胆さ。 いたいけな少年少女、かよわき女性たちを「これでもか、これでもか、エー イ、エーイ」とムチで打つような事を平気でする勇気。若輩者の私には学ぶ べきところが山ほどございます。
 話は変わりますが、ここでお願いと申しますか、貴紙に対するリクエスト を少し述べさせて頂きます。
 やはり”ビジネス”ニュースというぐらいですから、たまには、その主要 な読者である”ビジネス”マンの方たちも、その記事の対象にして頂きたい と思います。ネタは多種多様ございます。「ニューヨーク不倫物語」、 「ピアノバーはしご日記」、「正しい女のかこい方」、「3年間、地下鉄に 乗らずに生活する方法」などなど、取り上げ方によって、いろいろな記事に 仕上がると思います。そして、さもすべてのビジネスマンがそうであるかの ように思わせることも可能でございます。かなりの数のビジネスマンの方々 が「ワシは違う。」、「こんなのウソや。」などとお思いになるはず。そう いう記事が発行されましたアカツキには山のような投書が寄せられること、 間違いありません。それらの投書を貴紙上で掲載しますと、また他からの声 として、「何言ってんのよ。この記事、本当よ。アンタたちなんか反論する 権利もないわよ。私も随分遊ばれたわ。」とか、「私は以前ビジネスマンで した。だから本当のことを知っています。この記事にあることは悲しいかな 事実です。」などと言った投書が送られて来たりするのでございます。その 論争で、そうですね、約4、5カ月ほどはお茶をにごせるのではないかと想 像致します。すばらしいではありませんか。信用と権威は失うかもしれませ んが、読者と投書を得ることが可能であります。もし運が良ければ、カミソ リや時限爆弾なども送られて来るやもしれません。
 そこでひとつ、このNutsからささやかな提案がございます。もし、将来の 号において、「ビジネスマンぴしぴしイジメ」記事を掲載なされば、この Nutsに1カ月間無料でビジネスニュース様の広告を掲載させて頂きます。別 に無理をなさる必要はございません。ご主人様に忠実に仕える犬であろうと するビジネスニュース様のお心、お察し致します。「強きを助け、弱きをく じく」。すばらしいポリシーでございませんか。でも、たまには指向をお変 えになってですね、お強い方々をチョンチョンとつついてみるのもまた一興 でございます。いかがでございましょう。ご考慮くださいませ。
 最近、私どもの仲間内で、「次のビジネスニュースのネタは何か?」とい うのがホットな話題になっております。「学生、女性の次はイーストビレッ ジに住む日本人の実態ではないか?」という声もございますし、「いや、次 の餌食はピアノバーガールだ。」という声、あるいは「セックス、カラオケ と来てるから、次は絶対ドラッグ!」という声もございます。まったく失礼 なことばかり言っております。誠に申し訳ございません。私は個人的に、 「ビジネスニュースさんのことだから、もっと高尚な話題、例えば、松田聖 子が紀伊國屋さんのトイレを使って流し忘れた、とか、中森明菜が寿司テイ クアウト屋でアルバイトして、そこで働いてたアミーゴと恋に落ちた、など といった、話題性と事実に基づいた記事をきっと僕たちに提供してくれる。」 と信じております。天下のビジネスニュース様、期待しております。よろし くお願い申しあげます。
 それでは、来月号を拝読するのを楽しみにしながら、この辺で失礼させて 頂きます。あ、そうそう、ひとつお伝えするのを忘れていまいました。ビジ ネスニュース様のその実力、パワー、正義感に敬意を表するという意味で、 今後、私どもの仲間内ではビジネスニュース様のことを”USスポーツニュー ス様”と呼ばせて頂こうと考えております。お礼にはおよびません。私ども のほんの気持ちでございます。ご了承くださいませ。
 貴紙の繁栄とご活躍を願いながら、キーボードを叩き終わらせて頂きます。 ガンバレガンバレ、USスポーツニュース様!
草々   
         

「VOICE」

@事務連絡を少し。

 10月1日(日)にイーストビレッジにて行われます「日本の祭り」に非 営利団体用のブースが設けられます。いろんなパンフレット、ミニコミなど を置くことができます。詳しくはNuts編集部までご連絡下さい。
 先週に引き続き、祭りのボランティア、Nutsブースのワイワイガヤガヤ軍 団員を募集しております。ほんの軽い気持ちで大丈夫ですよ。おじちゃん、 何もしないから。ね。と言う訳で、連絡はNuts編集部まで。
 今、宗教団体覆面対談会というのを「やりたいなあ」と思っております。 対象とする団体は創価学会、統一教会、そして幸福の科学。彼らに「日本の 現在と未来」というテーマで対談して頂いて、それをNutsに掲載する予定で あります。悪ふざけでやってる訳ではありません。真剣です。
 そこで、協力して頂けるそれぞれの会員の方を探しております。興味のあ る方は再びNuts編集部までご連絡下さい。

秋の空って、夏よりも青いんですよね。ひろ
 そんなとこです。ではまた来週。     編集人
 

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Hiroyuki Takenaga ---hiro@interport.net