1995年9月26日号

(No.81)


                     Nutsの表紙です

@週刊Nuts「平成の目安箱」

村山首相様
前略
 ニューヨークは急激に寒くなり始めました。日本はいかがなものでしょう か?
 さて、「日本人は考えずに魚採りすぎ買いすぎ」シリーズの最終回であり ます。
 日本は海外から魚を買いまくっております。魚たちを「限りある資源」と はあまり考えず、ただ単に「商品」として買いまくっております。その土地 土地の「資源を守ろう」という配慮はあまり感じられません。その結果とし て、魚さんがドンドンいなくなってしまうのであります。
 「魚は減ってない!」とおっしゃる方もいます。でも、冷静に考えましょ うよ。今まであまり採ってなかったものを急激に採り始めて、その全体の数 に影響がないとは思えません。採れば採るだけ湧き出てくる生物などこの世 には存在しません。これまでに人間がどれだけの生物を絶滅に追い込んだか を考えれば、「生物は、ガンガン採れば減るものだ。」ということがお分か りになると思います。
 では、どうするか? 魚の輸入をストップするか? ストップするのも 一つの手だと思います。でも、それはかなりの荒療治になります。それによっ て失業する方も山ほど出るはずです。
 そこで、こういう方法はいかがなものでしょう。ただ「買う」という姿勢 でなく、「資源を維持する」という姿勢も見せるのです。例えば、海外のウ ニ産地にウニ研究所を作ります。研究員は日本側から半分、残りの半分は現 地国からにします。その研究所において、「どのくらいのペースで採れば、 ウニはいなくならないか。」とか「ウニを効率よく繁殖させる方法はない か。」
などと言ったことを調べるのです。そして、そこの調査をもとにして、漁師 にウニを採らせます。そのウニを日本へ送る訳です。
 この方法のポイントは、「自分から進んでやること」。つまり「日本が積 極的にやること」なのです。「買わせて頂くかわりに、ちゃんとオタクの資 源を管理しましょ。」と日本側からはっきり言うべきです。それは先進国に おいても、後進国においても同じです。私は特に後進国に対して、積極的協 力態勢を見せるべきだと思います。なぜなら、日本は特に後進国において、 好き放題、魚を買いまくっているからです。
 私の実家は魚屋で、そして私はもと漁師です。ですから、魚に対して親友 のような思い入れがあります。付き合っても良いヤツだし、食っても良いヤ ツです。できることなら、自分の子供にも「魚は親友であり、そして、うま い」と感じて欲しいのです。私が今付き合ってる海の連中と、子供たちも付 き合って欲しいのです。そのためにも、魚に長生きしてもらわなくてはなり ません。「オヤジの時代にはウニという生物がいたそうだ」という時代にす る訳にはいきません。そのために日本は少しスピードを緩めて、未来の事を 考えなくてはいきません。考えましょう。
 そんなところです。ではまた来週。        草々
              「週刊Nuts」編集人 竹永浩之

「Nuts世界観光案内」アジア放浪編・パート7

 海外保険には入っておくべきだと思う。
 「バコッ!」。
 「(フングオーーーオ。いたーい。本気でいたーい、本気でいたーい よー。)」。骨が折れたと思った。私の一撃必殺の蹴りが決まったはずのサ ンドバックはただゆっくりと左に揺れただけだった。その表面はヘコんでも いない。張りのある肌をまだ保っていた。私の右足は計り知れない痛みと共 に、一応もとの場所に戻っていた。
 痛いどころではない。力が入らないのだ。今、重心を右足に掛けたら、私 は崩れ去る。そんなおろかな姿をタイの国民たちに見せる訳にはいかない。 左足に体重のほとんどをあずけ、右足はかすかにそのコンクリートの床に触 れているだけだった。そして、私はじっとファイティング・ポーズを保って いたのである。
 やばかった。非常にやばい。だって歩けないんですもの。それに痛い。スッ ゴク痛い。でも、それを顔には出していなかった。いや、いなかったと思う。 ・・・ちょっとは出ていたかもしれない。とりあえず、私はただジッと サンドバックを涙目で睨み付けていた。泣きそうだった。「こんなところで オレは何をしているのだろう?」。悲しい午後であった。
 もう一度蹴ることは完全に不可能。それは分かっていたのだが、その場か ら動くことができなかった。逃げるにも逃げられない状態。どうするか?
 とっさに私はこう考えたのである。「サンドバックをナデよう。」と。動 かない右足を引きずり、なんとかサンドバックまでたどり着く。そして、私 はそのサンドバックをナデ始めた。その顔は、「うーん、なかなか良いサン ドバックだね。どれどれ。おほー、蹴ったばかりなのに、表面の張りに変化 はない。良い感じで使い込んであるわね。ラブリーよ。」というようなこと を言っていたと思う。少なくとも私はそのように努力していた。
 せめて歩けるようになるまで、時間を稼がなければならなかった。私はサ ンドバックをさすり続けた。きっとムエタイ小僧たちには単なる変態日本人 に見えたことだろう。一発蹴っただけで、あとはサンドバックをナデ続けて いるのだから。あちらこちらで「パンピコ ウンコロ スンドバ」とかいう 声が聞こえるが何を言ってるのかは分からない。きっと「あの日本人は何やっ てやがんだ?」って言ってるのだろう。
 そのうちジム全体が動き始めた。練習が再開されるらしい。私は「おっ、 もう始まっちゃうの。しょうがないなあ。」という顔をしながら壁までゆっ くりズリ下がった。そして、そこで腕組みして、ジム中に散らばっていくム エタイ小僧たちを見ていた。
 「やっぱり観光だけにしとこ」。        Hiro

「VOICE」

@私はかつて、U.S. Japan Business Newsに連載記事を寄稿していた者です。
半年分以上の原稿料を踏み倒されそうになって縁を切りました。やはり私の ような者は”あの”ビジネスニュースのライターという栄誉には値しなかっ たようです。だからこそ、とっくに掲載済みの原稿料の取り立てにも散々苦 労したのかもしれません。竹永さんも指摘しておられた「弱い者は叩くだけ 叩け!」は見事に一貫した経営理念のようです。
 同紙掲載の「留学生の実態」と「イエローキャブ」の目眩のするような、 いえ目の眩むような緻密で正確な情報と的を得た分析、題材の妥当性と目的 意識の崇高さには全く言葉を失い、そのあまりの程度の高さにすっかりお手 上げで、開いた口がふさがらずに困っておりました。
 ここで竹永さんにお願いがございます。以前ビジネスニュースに掲載され た投書、および”Nuts”紙上に見られた一連のリクエストは、是非とも万難 を排して撤回して頂けないでしょうか。切にお願い申し上げます。あのよう な比類なき大新聞が、竹永さんの明晰なる頭脳提供によってさらにパワー アップし、それを支える読者の共感を強めてしまっては大変です。「正しい 女のかこい方」を読んで股間の使用頻度を高めようと努力するおっさん、 「3年間、地下鉄に乗らずに生活する方法」を読んで経費の無駄遣いに励む 企業幹部、広告料を稼ぐための「連載・ピアノバー今月の美女探訪」などが 万が一続出しては、ただでさえ放漫経営、失礼、不況に苦しむニューヨーク 日系ビジネス界は崩壊の危機に立たされてしまいます。真っ先に解雇されて 路頭に迷うのはただでさえ薄給の現地採用であり、就職先を失うのは留学生 の皆さんなのです。
 ビジネスニュース最新の話題は「セクハラ」でした。ひたすら弱い者いじ めの下ネタでつっ走る決意は固いようです。今回のスケープゴートは、「態 度がでかい」「可愛くない」「生意気」と、駐在員の間では何かと評判の悪 い現地採用の女性でした。「自覚のない駐在員」を「セクハラを逆手に取る アメリカ女性」が騙して金儲けをしているかのような見出しのこじつけ方は、 ただ見事としか言いようがありません(駐在員の多くは、見出しぐらいしか 見ていません)。きっと想像力のたくましい、いえ創造性あふれる優秀な編 集スタッフを抱えているのだと思います。
 最後に先ほどのお願いを繰り返させて頂きます。ビジネスニュースが本気 でとびつきそうなアイディア協力は是非ご撤回ください。同紙の無料広告が 掲載された時点で”Nuts”をボイコットしようという動きも出ておりますの で、早急なご対応をお願い致します。         
      中野愉実
追伸:ビジネスニュースの別名は、竹永さんによる「スポーツニュース」の 他、ヒロミ・ジョンソンさんによる「U.S. Japan Zokuaku News」がある事 をお披露目したいと思います。
編集人より:スポーツニュース様がつっ走るのは自己破滅、いや失礼、自己 革命の道でございます。先人たちが到達し得なかった境地に向かって邁進し ております。このNutsもその背中を押す一手となれば本望でございます。私 には、スポーツニュース様の行く手にあるのは底なしの谷のように思えるの ですが、それはここだけのハナシ。押す手にも力が入ります。中野様には申 し訳ございませんが、今後もこのようなお付き合いをスポーツニュース様と の間に維持できればと、お星様にお願いする今日この頃でございます。では。
@先日ある人に腹を立てた。その時、この人にはいったい人と仲良くする気 があるのかと疑った。
 小学校時代、私の父は転勤が多く、そのたびに私は転校生にならなくては いけなかった。学期の途中で入学する時は、もうすでにいくつか出来上がっ ているグループのどこかに入らなくては、一人ぼっちになってしまう。そん な時、人は2つのタイプに分けられると思った。1つは、新しい子にも優し く声を掛けて、ちょっと冗談を言ったりして相手との距離を自分から縮めて、 人と仲良くしようとするタイプ。もう1つは、新しい人を無視し、きつい事 を言ったり、意地悪をしたりして、相手に敵意と存在の強さを示し、相手が その強さを認めたり、おびえたりしたら、その間にそれなりの関係が生まれ てくるという、仲良くしようとしない、どちらかというと仲良くされるタイ プ。
 私が腹を立てた相手は典型的な仲良くされるタイプで、私は仲良くするタ イプである。どちらが良いと言う訳ではないが、時々、状況や相手によって 自分のタイプが変わる時がある。私はその変化を自分の中にも他人の中にも 見るのが嫌いだ。例えば、仲良くされるタイプの人が芸能人やらに会った時、 急に仲良くしたいマナコになったりなんかすると、ヘドが出そうになる。
 ペンネームのあらりの港というのは私の名前の由来の地で、伊豆にある。 その港は、いつも波がおだやかで、あらしになると周りの舟が避難しに、そ こに集まってくるという。私の両親は、私がそんな人の集まってくる子にな りますようにと願い、「あらり」じゃ少し間が抜けているので、「あ」を 取って「らり」にし、「らり」をひっくり返して「りら」と名付けた。この ひっくり返しの作業が災いしたのか、一向に人の集まってくる気配がないの で、私は日々、せっせと笑顔を振りまいている。しかし、仲良くする側にも、 最低限のレベルがある。相手を選ぶ権利がある。そして、明るい笑顔の港に だって時にはいかりのあらしがおそってくる時があるのだ。
  あらりの港
@粋なことを言う政治家が少なくなった。
 第二次世界大戦中のイギリスの首相チャーチルは、後年、ノーベル文学賞 を授与された。その時、彼が述べたコメント。
 「皆さん、後悔しても知りませんよ」。
 戦後の宰相、吉田茂は、引退後も人が驚くほどの精気を保った。「何を食 べたらそんなに元気でいられるのか」と、その秘訣を聞かれた時の彼の言葉。
 「教えてやろう。それはな、わしは長い間、人をくって生きてきたからだ よ」。
 今、こんな政治家はいない。人が小さくなったのか? それとも時代が小 さくなったのか?       ひろ
@祭りのボランティア、まだ探しております。お気軽にご連絡下さい。
 先日、半袖を着てたら、奇人変人を見るような目で見られてしまいました。 やっぱり秋ね。でも、半袖着てるぐらいで、人のこと大悪党みたいに言うの はやめて欲しいわよね。こういうのはポリシーの問題だから。では。
   編集人

こんな時期からブギーボードを始めようとする私とてっちゃんは、変態でご ざいます。ひろ

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Hiroyuki Takenaga ---hiro@interport.net