◆◆◆◆ New York Tabroid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆
『NYタブロイド・マガジン “Nutsジャーナル”』
1999年1月8日号 NO.11
*今日のひとこと*
カメラをはじめて、見慣れた景色の中にも自分好みのものと
そうでないものがあると知った。けっこう楽しい。(こ)
*******************************************
========
★地下鉄の惨劇★
========
斉藤真紀子
マンハッタンの地下鉄の駅(N線23ストリート)で、1月3日(日)午後
5時15分ごろ、見知らぬ男に背中を押された女性が電車に引かれ
死亡する、という事件があった。男はその場で逮捕されたが、地下
鉄の駅はパニックと化し、ニューヨークポストをはじめとする新聞各紙
は、大々的にこのニュースを伝えた。
ニューヨーク市の地下鉄には、一般に危険なイメージがつきまとう。
だが、はたして、プラットフォームで見知らぬ誰かに背中を押される、
というような事件が頻繁に起こりうるか、というとそうでもない。
事件翌日のニューヨークポストは、「悪夢ふたたび」として1979年に
女子高生がやはりプラットフォームで何者かに背中を押され、電車に
ひかれて右手を失った事件にふれた。当時はニューヨーク市が犯罪
多発都市として悪名高きころであったが、治安のよさがうたわれて
いる今(注)ふたたびその恐怖がよみがえった、というわけだ。(注:
同紙によると、1990年の地下鉄内の重犯罪件数約2万件(うち殺人
26件)をピークに犯罪件数は減少、地下鉄内における殺人件数は97
年4件、98年1件であった。)
確かに10年前、20年前と比べて地下鉄が安全になってきている一方
で、「悪夢」の時代を知るニューヨーカーと、それ以外の人とでは地下
鉄の安全に対する認識に差がでてくるのも当然だろう。背後に人の
気配を感じただけで反射的に身をかわすのが前者だとすれば、「夢を
追って」マンハッタンに3年ほど前移り住んだと報じられている、被害
者の32歳の女性は後者うちのひとりだったのかもしれない。
今回の報道では、加害者の「精神病歴」もクローズアップされ、精神病
歴のある者に対する監視を強めようという声もあがっている。ニューヨー
ク市の治安の回復、安全性の促進とあいまって、精神異常者イコール
危険人物とみなすような、やや強引な論調が気になるところである。
ホームページにもどる