◆◆◆◆ New York Tabroid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆
『NYタブロイド・マガジン “Nutsジャーナル”』 1999年1月16日号 NO.13
*今日のひとこと* 高級な店がやたらに増えたソーホーを久しぶりに散策し、ますます 縁遠くなってしまうことの寂しさを感じた。(こ)
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========= ★世紀末のアート★ =========
小西樹里
マンハッタンでは今、若いアーティストたちによるペインティング(絵画)が 注目を集めている。
過去1年間のあいだに、ニューヨークのアート界では次々に新人アーティ ストがデビューし、その多くの絵画が1枚5千ドル(約65万円)から1万3千 ドル(約170万円)の高額で取り引きされた。
はじめに20代の若い新人アーティストたちに目をつけたのは、アート商人 のジェフリー・ディッチ氏。80年代に何人ものアーティストたちを援助し成 功させたディッチ氏は、去年のうちに6人の秀でたペインターたちを美術系 の学校などから引き抜き、彼らの作品をマーケットに宣伝した。
いまだ90年代前半の絵画を主に所持するマンハッタンのアート・ギャラリー を相手に、ディッチ氏の行動は一種の賭けだったといえる。
「1990年代に入ってから、パフォーマンス・アートやビデオ・アートの方に 人々の関心は向いて、ペインティングの分野は死んだも同然と考えられて いた。実際、アート全体が少しづつ学問的になってきていたが、基礎的な アートとして絵画は忘れられるべきではなかった。再びペインティングが 脚光を浴びてきたのは、若いアーティストたちのアートに対する自由な発 想、アートを従来の装飾的なものと考えていないせいだろう。彼らにとって アートはすごく個人的なものであり、自身を表現するための抽象的な手段 でもある。」
ディッチ氏に選ばれた6人のペインターのひとりであるダミアン・ローブは、 9年前に独学でペインティングをはじめ、そして今ではマンハッタンの有名 ギャラリーと契約し創作活動をする。ディッチ氏と出会ってすぐにローブの 作品は数人のコレクターや商人の目にとまり、個展への誘いが来るように なった。
「何かの偏向を見た感じだった。人々の絵画への要求があったとき、ちょう どそこに自分の作品が存在した、という。そのタイミングに出会えて、僕は 幸運だった。」
現代の画家たちが描くペインティングに “ー的”という言葉は当てはまらない。 そして彼らの作品は過去にあった傾向の繰り返しでもない。それらはアート の歴史がなければ生まれなかったものだが、単なる“ペインティング”の領 域から抜け出した、今世紀最後の新しいアートだといえる。
(参照 ・ New York Magazine 1.11.1999)

「Nutsジャーナル」編集部

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