◆◆◆◆ New York Tabloid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆
『NYタブロイド・マガジン "Nutsジャーナル"』 1999年5月20日号 NO.38
*今日のひとこと* 噂のスターウォーズがやっと一般公開された。今後、人々がどんな反応 を示しだすのか、それが映画自体よりも楽しみだったりする。(こ)
*******************************************
================== ★変わりゆくニューヨークのナイト・ライフ★ ==================
小西樹里
ニューヨーク市警(NYPD)が4月17日からはじめた、ダンス・クラブ周 辺の夜間巡回強化により、今までに12人の麻薬商人が身柄を確保されて いる。
この動きに関して、マンハッタンのクラブの中では知名度が高い「Tunnel」 のオーナー、ピーター・ガティエン氏は警察との協力をすすんで承諾した が、他のクラブのオーナーたちやパーティーのプロモーター(発起人)たち は警察の取り締まりの熱の入れかたに不満を持つ者が多いようだ。
ダウンタウンの有名クラブ「Vinyl」で、パーティーの企画・実行をするプ ロモーター、ジョン・ガートマン氏はクラブへの警察介入反対派のひとりだ。 先日、そこでのパーティーへ私服警官の訪問を忠告する文書をNYPDより受け 取ったガートマン氏は、緊急事態を予想し、通常より7人多い数の警備員を やとうことにした。
「ここの警察はやるといったらやる軍団だから、こちらもそれに対応できる 準備をしておくのが最善策。何事もないことを願っているけどね」と、ガー トマン氏は憤慨した様子である。
また「Sound Factory」というミッドタウンのクラブで、金曜日の夜のメイン・ パーティーをプロモートするマック・マクファーレン氏は、そんな警察の動き のせいで6000ドルの損害を受けた。4月30日に予定していたパーティー の開催直前に、警察がクラブ内の強制捜査を押し切ったため、それを中止せざ るを得なくなり、アメリカ各地から招待していた有名D.J.たちの諸経費をすべ て負担しなければならなくなったのだ。
「事件が起こるのはこっちも避けたいものだけど、クラブの入り口であんな に厳しいボディー・チェックをやられたら、客がもどってこなくなる。だけど ニューヨークもつまらないところになったもんだよ」と、マクファーレン氏。
そしてマンハッタンの小規模なクラブのオーナーたちも、たびたび訪れる私 服警官に騒音違反のチケットを切られ、その姑息なやり方に反発をかんじて いる。客の年齢層が比較的高いクラブでも警察の手段に変化はなく、「ポリ スにとっては、どのクラブも麻薬商人の手先のようなもので、目のかたきな のさ」とオーナーたちは怒りを隠せない。
「地域の問題に正当な権力を行使する」というNYPDのポリシーは、ニュー ヨークのナイト・ライフに様々な影響を与えている。クラブ内で相次ぐ事件 の対応や麻薬、銃器の取り締まりを強化する警察の動きは、地域社会の改善 や人々の安全ために役立っているはずだが、その強行的な手段に不満をいだ いている人々が多くいるのも事実である。
犯罪の摘発にやっきになる警察と、それを望まない人々の矛盾した対立が あっているのが、かつては世界一といわれたニューヨークのナイト・ライフ の現状だ。
(New York Magazine 5.24.1999)

「Nutsジャーナル」編集部

ホームページにもどる