◆◆◆◆ New York Tabloid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆
『NYタブロイド・マガジン "Nutsジャーナル"』
1999年7月18日号 NO.49
*今日のひとこと*
文化や習慣の他にアメリカで実感する「違い」を、日本から遊びに
きていた友達の言葉で確信した。「やっぱりみんな脚が長い」。(こ)
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★安心の場を求めて★
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斉藤 真紀子
家出をする少年、少女たちは、どうやって生きているのか。
アメリカでは、フォスターケア制度など、家庭環境にめぐまれない子
供たちの世話を引き受ける社会制度があるにもかかわらず、義務教
育を終えずに路頭に迷う子供たちは意外に多い。とはいえ、大人の
ホームレスとは異なり、社会にはあらゆる危険が待ち構えている。
ボストン・ヘラルド(6月29日、30日および7月1日付)、ニューヨークタ
イムズ(7月11日付)は、危険に身をさらしながらも路上で生きる少
年と少女についてレポートしている。彼らが家を捨て、求めるものは
何か。そして、彼らを受け入れるシェルター(避難場所)とはどのよう
なところか。
「ボストンのリトル・ジョーの場合」
幼いころ両親が離婚し、麻薬やアルコール中毒などの問題を抱えて
いた父と母とのあいだを行き来していたリトル・ジョー(14歳)が家を
出たのは2〜3ヶ月前のことである。それから、ボストン市内で窃盗
をはたらいたりしながら生活をしていたが、現在は「ジプシー」と名乗
る40代の男性のもとで森でキャンプ生活をしている。
「ジプシー」はホームレスだが、リトル・ジョーに、料理や裁縫で生計
をたてる方法、あるいは1ドルでお腹を満たす知恵などを伝授したり、
レイプなどの目的で少年少女を狙う危険な大人たちから保護をした
りする役目をはたす。
両親や児童保護施設は、リトル・ジョーの安否を気にかけてはいるが、
本人に家に帰る意志がないのでとくに強制して連れ戻すようなことは
しない。リトル・ジョーの夢はアーミッシュが住むユートピアで暮らすこ
とである。アーミッシュはおもにペンシルバニア州に居住し、電気、車
など近代生活様式を拒否しながら農業中心のコミュニティで生活をする。
「ニューヨークのマリアの場合」
多くの家出少女たちはギャングのもとに寄り集うことが多い、と事情を
知る者はいう。マリア(現在13歳)が、ギャングの恋人(当時18歳)の
すすめで売春を始めたのは11歳の時だった。刑務所入りを繰り返す
母親の代わりに祖母に育てられたマリアは、今年に入り売春の容疑
で2度逮捕され現在拘留中の身である。
彼女にとってギャングたちは住まいを与え、保護をしてくれる存在であ
り、彼らに「使われている」という意識はないのである。ギャングたちに
すれば、売春は自分たちの麻薬売買の取引に代わる、「儲かる」ビジ
ネスであるという事情があるのだが。家出少女たちがギャングたちに
ひかれるのは彼らが豊かさと独立、すなわち彼女たちの夢みるもの、
の象徴だから、と18歳の売春婦はいう。
こうした家出少年・少女は年々増加の傾向にあるという。ホームレスや、
ギャングとの生活に安心できる巣を見出した少年と少女に、一般社会
のおきてを持ち出して家に帰れと説得するのは難しいだろう。子供にとっ
て家庭が一番安心できるシェルターとしての機能を果たさないケースが
増えてきているのかもしれない。
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