◆◆◆◆ New York Tabloid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆
『NYタブロイド・マガジン "Nutsジャーナル"』
1999年8月24日号 NO.56
*今日のひとこと*
世の中に完璧なものはない、と思う今日このごろ。コンピュータがまた
錯乱し発行が遅れてしまいました。空気にはもう秋の気配が。(こ)
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★ダライ・ラマ教主の野外講演★
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小西樹里
赤、オレンジ、黄の色が鮮やかな民族衣装を身にまとった、チベットのラマ
教の教主、ダライ・ラマ14世がステージに姿をあらわすと、人々は起立し、
大きな拍手で歓迎した。にこやかな微笑みを浮かべたダライ・ラマ教主は、
「兄弟たちよ」という第一声を発したあと、ゆっくりと周囲を見回した。
8月15日の日曜日、アッパー・イースト・サイド寄りのセントラル・パークは
いつにない騒々しさに包まれた。その日、講演がはじまるのは午前11時
からにもかかわらず、地下鉄の駅から会場へ向かう人の波が、9時にはあ
たりのストリートに溢れていた。そのダライ・ラマ教主の講演を聴きに訪れ
た人は約5万人にもなったという。
そのダライ・ラマ氏をステージへ紹介したのは、「愛と青春の旅立ち」や「プリ
ティー・ウーマン」などの映画出演で知られる、リチャード・ギア氏。ギア氏は
アメリカの著名人を代表するラマ教の信者で、ダライ・ラマ教主を支援する
活動を長年続けている。1949年に中国政府によりチベットを追放された第
14代目のダライ・ラマ教主は、慈善活動しながら今も世界中を旅する。
講演のなかでダライ・ラマ教主は、「年を取るたび英語を忘れる。自分の英
語のせいで、間違った教えが伝わらなければいいが」などと、冗談をまじえ
ながら、ラマ教の信条を語った。特に「人間は皆同じである」ということを、話
の中で何度も強調した。
「人間の潜在能力や才能に差はなく、私たちはみな平等に生きる権利があ
る。愛、同情、寛大さによって、人間は互いを支えながら、同じように生きて
いる。」
約1時間半におよんだ訓戒の最後は、様々な宗教を信仰する人々が共存
するニューヨークの土地柄を考慮し、それぞれの神を想いながら、ラマ教
の教えを読んでください、というものだった。多様な宗教に対する思いやり
が感じられたこの講演会は、人々それぞれが大事に思うものについて、考
え直してみるきっかけを与えてくれたのではないだろうか。
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