◆◆◆◆ New York Tabloid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆
『NYタブロイド・マガジン "Nutsジャーナル"』 1999年10月4日号 NO.61
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========= ★制服導入の葛藤★ =========
斎藤真紀子
ニューヨーク市の公立小学校で、この秋より制服が導入される。
アメリカの私立小学校では、ドレスコード(ジャケットにスポーツシャツなど の大まかな規定)があるところもあるが、全米で制服を採用している学校 は少数派である。ニューヨークに住む人々の多様性や、個人の個性を尊 重するアメリカの教育とは相容れない制度のようであるが、市民のあいだ に葛藤はないのであろうか。
市の教育委員会が公立小学校の制服導入を決めたのは、昨年3月であ る。教育委員会の委員長であるトンプソン氏は、ドレスコードを採用して出 席率があがったり、行儀がよくなったり、生徒が勉強に集中しやすくなった 例をあげ、制服導入の教育的効果を強調する。
今の時点で市の672校のうち、163校が制服導入を受け入れている。親 による抵抗のため返答が遅れているところもあるようだが、最終的に70 パーセントの学校が制服導入に同意するのではないかと教育委員会は みている。
実施にあたっては、それぞれの学校の判断、方針にゆだねられているとこ ろが大きいので、学校側も工夫をしている。より多くの賛同を得るために、 「目標達成(全員が制服を着ること)」ができたクラスごとに、垂れ幕を掲げ たり、ピザパーティを開いたりするところもある。あるいは、学校側が制服を 導入しないという選択もできる。なお、制服のデザインはそれぞれの学校に まかせらせている。
小学生、および親たちは、賛否両論の受け止め方をしているようである。洋 服代がかからない(40ドルから100ドル程度)、子供の服にいちいち干渉 しないですむ、など親から賛成意見がある一方、反発する側は個性が違う のに同じ洋服を着せるのはおかしいなどの意見がある。
カリフォルニアでは、訴訟に発展した例もあり、人権問題にふれる反対意見 が多いようだ。また、賛成でも反対でもないが、「子供たちが好きならいいが、 きらいなら押しつけるのはおかしい」あるいは「(学校の)プライド、しつけ、規 律、競争をなくす、などのために制服を着せるというのなら、家庭外の価値 観だ」という意見もある。
子供たちは、デザインが気に入らないなど、好みの問題が多いようだ。たと えばブルックリンに住む5年生の女子生徒は、紺のプリーツのジャンパース カートはよくても、その上にはおる黄色のジャケットがどうしても気に入らない。
こうした意見に対して、教育委員会は親たちに「制服を着ない」という選択権 を与えることで、市民の自由を尊重しようとしている。押しつけず、強制せず といったかたちで進められている制服がどれくらい定着するのか、また教育 委員会の指摘する「効果」がどれくらいあらわれるか、興味深い。
(9月4日付ニューヨークタイムス参照)

「Nutsジャーナル」編集部

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