◆◆◆◆◆New York Tabloid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆◆
   『NYタブロイド・マガジン "Nutsジャーナル"』
   2000年2月20日号 NO.79
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================= ★「多国籍料理街 イースト・ビレッジ」★ =================
小西 樹里
「今日は何料理を食べようか。」
イースト・ビレッジで外食することになった場合、まず人々が考えるのは このことだ。
イースト・ビレッジはマンハッタンのダウンタウン、南北に走るブロードウェ イからアベニューA、東西に走るハウストン・ストリートから14丁目によっ てほぼ正方形に囲まれた一帯のことである。そこには、以前はヒッピーや パンク・キッズが集まる通りとして有名だった、セント・マークス・プレイス という名の東8丁目を中心に、低くて古いアパートの住宅街と小規模のア クセサリー店や衣料品店、レストランなどのビジネスが共存している。
「閑静」という雰囲気を持たないイースト・ビレッジの魅力は、かつて廃退し た若者たちが集った面影を残す街独特の、薄暗さや雑多さにあるように 思える。しかし年々、街は着実に商業化や家賃の高騰による環境の変化 が進んでおり、この街特有の匂いは徐々に消えつつある。
しかしその雑多さが作るイースト・ビレッジの魅力のひとつは、世界各国の レストランの集合地帯であることだ。ことレストランに関しては、イースト・ビ レッジは他のどの地域よりも「人種のるつぼ・ニューヨーク」の言葉を体現 していると言える。
セント・マークス・プレイスの入り口、東8丁目と3番街の角に立つと、まず 目に入るのは、昨年に開店したばかりのマクドナルドに、24時間オープ ンのピザ屋というアメリカン・フード店の組み合わせだが、それを少し進め ば居酒屋風の日本レストランが両側に見え、その隣にはアフガニスタン 料理の店があり、さらに先にはフランス料理店にイタリア料理店、モロッコ 料理店が続く。
スターバックスの前にはウクライナ料理のカフェがあり、その近くにはボル シチが人気のポーランドやロシア料理のレストラン、地中海料理店、ビルマ 料理にチベット料理、タイ料理店がある。また小さなべネズエラ料理店の向 かいにはスペインの居酒屋、おしゃれなベトナム料理のレストラン、夏には ベリーダンスのショーが行われる中東料理店、そしてフィリピンの家庭料理 店。スピードが売りのメキシコ料理や中国料理店はもちろん、マンハッタン でも数少ないスイス料理のレストラン、落ち着いた雰囲気の韓国料理店も ある。そしてイースト・ビレッジの名物のひとつ、カレー粉の匂いが漂う通り には、派手な飾りのインド・バングラデシュ料理店が何十件も並んでいる。
雑多さ、多様さを受け入れるおおらかさがあるイースト・ビレッジだからこそ、 多国籍のレストランを持つ街に成り得たのではないだろうか。そして、ビレッ ジを離れられない住人たちは、軒を連ねる数々のレストランを思い、今日も 楽しく悩み続けている。
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【今日のひとこと】 場所だけで選んだ、巣窟のようなアパートに住んでいても、 やはりビレッジは離れられない。中毒みたいなもの。(こ)
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「Nutsジャーナル」編集部

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