◆◆◆◆◆New York Tabloid Magazine "Nuts Journal"◆◆◆◆◆
   『NYタブロイド・マガジン "Nutsジャーナル"』
     2000年2月27日号 NO.80
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=================== ★音は言葉を越えて−タップ・ダンスの魅力★ ===================
小西 樹里
マンハッタンの43丁目にある劇場「タウン・ホール」で25日、「The Elegance of Tap & The Comedy of Tap」というタップ・ダンスのショーが行われた。タッ プ・ダンスの華麗な面と喜劇的な面を、15組25人のダンサーがそれぞれの 感性、体の動き、そして靴についた4つの金具で表現するという試みだ。その 日、タップ・ダンサーたちの共演を楽しもうという人々で、劇場はほぼ満席の 状態だった。
ショーの司会者、ビル・アーウィン氏は俳優や喜劇役者として持ち前の才能 を十分に発揮し、進行役を務めながら会場を笑いの渦に包み込んだ。それ ぞれ10分ほどの演技を見せるダンサーたちをを紹介するたびに、アーウィ ン氏は違う服を着て舞台に現れ、3時間のショーを飽きさせなかった。
まず音楽を担当するピアノ、ベース、ドラムの演奏者たちの演奏が行われた 後、女性4人のグループのタップからショーは始まった。そのタップの音は、 4人の靴と床が触れ合って発せられているとは思えないほど、互いが軽やか に揃い合っていた。4人グループの他に、女性同士や男性同士のペア、また 男女のペアの組み合わせがあったが、どのグループも協調し合うタップに様々 なダンスを取り入れて、絶妙のコンビネーションで観客を楽しませてくれた。
8人のソロリストたちのタップ・ダンスも、体の動きや音の表現方法を独自の やり方で最大限に生かしたタップを見せてくれた。その中に、ニューヨークで 留学生だった時にタップ・ダンスと「人生のピントが合った」ような出会いをし た、と語ってくれたサム・セイミヤさんがいた。大学卒業後、マンハッタンで職 を得たサムさんは、仕事の合間にタップ・ダンサーとしての活動を続ける。
静かなピアノの演奏で始まったサムさんのタップは、他のどのダンサーとも 異なり、大げさな動きもなくその音だけで聞かせてくれた。以前、サムさんは 「心の底から本当に感動することや芸術のすばらしさを教えてくれ、感性を 豊かにしてくれたのはタップだった」と、自分の一部として存在するタップ・ダ ンスのことを語ってくれた。だが今では、一部分でしかあり得なかったタップ をすっかり取りこみ操っているかのように見えた。
サムさんや、ヒップ・ホップの音楽性があったジェイソン・サミュエルさんのタッ プが、それがダンスだけではなく音楽としての要素もあると気付かせてくれた ように、タップ・ダンスは多様な面を持っている。木製の床から響く感情豊か なタップの音は、形にはできない多くの言葉を人々の心に伝え続ける。
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【参考資料】 [The Town Hall]
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【今日のひとこと】 ジャーナルNo.20「41発の銃弾」 (http://www.users.interport.net/~hiro/nj/oldnj/nj20.html)の 事件で、アフリカ系移民のアマドウ・ディアロさんを誤って銃殺したとし て起訴されていた、4人の白人警察官に対し無罪の判決が下された。 この事件の最も重大な争点は、ディアロさんが銃を手にしていると勘 違いした警察官らに「恐怖」はあったのかということであり、その点で 事件が人種差別によるものだったのか、または正当防衛だったのか という意見に分かれていたようだ。だが、実際は手に財布を握ってい たディアロさんひとりに放たれた41発もの銃弾のことを思うと、警官 たちの行為を正当化するべきだったのか疑問が残る。その夜、怒 りの声を発するブロンクスの住民たちと、タップ・ダンスのショーを楽 しむ自分の立場を比較せずにはいられなかった。(こ)
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「Nutsジャーナル」編集部

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